夢の海外編(前篇)。
平成15年春。
非常勤講師の任期終了と同時にここまで続けてきた「楽修塾」を閉塾。
目的はもちろん、長い間抱え、大きく膨らんだ夢であった海外へ渡る準備のため。
こちらの予定としては、準備が出来次第語学留学の形で現地に渡り、語学を学ぶのと並行して現地にて就職活動をし、翌年の春から現地で仕事をするというつもりでいました。
候補地はタイ・バンコク。
初の訪泰ですっかりタイに魅せられ「日本を離れて暮らすならここがいい!!」と決めていた場所。
タイ料理が大好きで、タイ人の優しさが大好きで、冬がなくて年中暖かい気候が大好きで、タイのゆったり流れる時間とその醸し出す雰囲気が大好きで…。
上げてるとキリがないくらい大好きな国タイを自分の第二の故郷にしようと思い、着々と旅立つ準備を進めていました。
そんな矢先…。
アジアを中心に鳥インフルエンザが大流行し、あちこちでその猛威を振るい始めた。
日本でも各地で被害が拡大していく中、タイも例外ではなく、深刻な状態になった。
日本政府からも海外への渡航の是正勧告が出されるぐらいの事態。
そんなことをあまり気にしないというか、日本でもその被害が出ているのならどこにいても変わらないでしょ!?ぐらいに思う人間にとってはたいした問題ではないと思っていたが、まわりの賢明な判断ができる人たちはもちろん大反対。
事が事だけに、さすがにそれを納得させるだけの根拠がまったくないだけに説得も無理で、とりあえずしばらくは様子見をすることに。
ってなわけで、海外渡航計画は一度目のおあずけになっちゃいました。
日本残留となると、そんなところで渡航用の資金を食い潰してしまうわけにはいかないため、急遽仕事を探し。
1年間の契約で県の外郭団体の嘱託職員として働きながら次の機会をうかがっていました。
1年間ということは、もちろん契約は3月まで。
1年を棒に振った人間には事前の語学留学なんて呑気なことは言う気もなくなっていたので、契約満了とともに渡り、すぐに仕事を始めるつもりで就職活動をしていました。
ここで鳥インフルエンザに続いて行く手を阻んだのが、2月に新学期が開始するという海外の特殊事情。
履歴書を送って先方とのやり取りをする中でかなりいい感触のところもあったのですが、3月末に退職後に渡航するというタイミングでは新学期の授業に間に合わないため条件が折り合わず、仕事は決まらず…。
ということで、海外渡航計画は二度目のおあずけとなり、また1年を棒に振ることになりました。
ただ、基本的に物事をポジティブに考える人間なので、その時間を有効に使って海外に渡った後の仕事確保に向けて資格を取ることにしました。
選んだのは‘日本語教師’。
仮に塾講師の道がダメになったとしても、海外なら日本語教師としての働き口がそれなりにあることはこれまでの就活の中で確認済み。
ならば、その資格を持っておいて損はないはず!!という安易な発想ですが…。(苦笑)
そちらの資格のための学校に通うと同時に、職業訓練の形でパソコンのインストラクターの養成講座にも通った。
自分が人に“教える”ということをこの先もずっと仕事として続けていくことを考えたら、教えられる幅は広いに越したことはなし。
単に教科としての勉強が教えられるだけでなく、小さい頃から続けてきていた書道や珠算、そしてさらにスキルアップで資格取得を目指した日本語やパソコンなど、必要とする人たちがいれば教えてあげることができるし、どのスキルがいつ自分を助けてくれる武器になるかはわかりませんからね。
結局、日本を離れる決心をして塾をたたんでから2年も日本で過ごす羽目になりましたが、この2年間もまた自分自身が成長するために大事な時間となったし、その間にたくさんの出会いもあって、今となってはとても意味のある2年間だった気がする。
転んでもただでは起きない男、ここにあり!!(笑)
夢の海外編は1回で終わらせるつもりだったのが、気が付くと海を渡らないうちにこんなに長い話になっちゃったので、急遽前・後編の二部制にすることにしちゃいました。
ってことで、続きはまた次回のお楽しみに☆
さぁ、次回はいよいよ本当に海を渡るぞぉ♪♪(笑)
第6回につづく…。