世界を変える

子どもたちとの関わりを通して、日々いろんな問題にぶつかりながら悪戦苦闘しています。
一つの問題をクリアしたらそれですべてがうまくいくわけではなく、また一つ次の問題が生まれてきます。
行き着くところ、問題がまったく無くなることはないんですよねぇ…。
子どもたちにとって一つ一つの問題というのは、いわゆるハードルです。
もちろん、次に進むためにはそのハードルを越えなければいけません。
じゃあ、どうやってそのハードルを越えるのか?
それが簡単にわかれば何の苦労もないんですけどね。(笑)
ただ一つ、ハッキリしていることがあります。
そのハードルを越えるために子どもたち自身が変わる(成長する)ことはもちろん大事なことですが、それはそんなに簡単なことではありません。
だから、まずは子どもたち自身を取り巻く“世界を変える”必要があるのです。
例えば、特別支援教育の考え方の中では『構造化』というものがあります。
これは、簡単に言えば子どもたちが学ぶための環境づくりをするということです。
「そんなのあたり前じゃん!!」と思われるかもしれませんが、それが意外とされていないことが多いんですよ。
教室や子ども部屋を少しイメージしてみてください。
なぜその位置に机とイスがあって、ロッカーや本棚があって、カレンダーやポスターが貼ってあって、窓があって…と様々なものが配置されているのですか?
たいていの場合は、その教室や部屋の造りの問題や利便性の問題が優先された結果であって、子どもたちのための環境づくりを最優先に考えられていないケースの方が多いと思います。
まずはその環境づくりから始める必要があるということです。
これが大人の社会で、工場内の問題だったら、作業効率を上げるためにはそこで働く人自身が変わることを望む前に、工場内の機械のレイアウトを変えることで対応しますよね?
まさにそれと同じことです。
しかしこれは、ただ単に物理的に子どもたち自身を取り巻く環境を変える必要があるということを言っているのではありません。
物理的環境だけではなく、子どもたち自身に関わる人間の考え方や関わり方も含めて、取り巻く環境すべてを子どもたち自身の成長のために一番いい形に変えることが必要だと言っているのです。
これが“世界を変える”ということの意味です。
そこに必要なのは、その一人ひとりの子どもたちへの愛情だったり、理解だったり、言葉の掛け方だったり、視線の送り方だったり…とあげればキリがありません。
でも、そのすべては本当に子どもたちの成長を願う心さえあれば、あとは自然とできるようになるものだと思います。
本当の意味での成長を願う心を持った人が、一人でも多く子どもたちのまわりにいれば、子どもたちはいつのまにかハードルを飛び越えてくれるのです。
子どもたちの“世界を変える”ことから…。
それがはじめの一歩です!!

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