次から次へと舞い込む相談や悩み事。授業している時間より、相談への対応をしている時間の方が多いような気がすると言えば大げさだが、実際、以前に比べて格段に多くなっているのは間違いない。
それだけ、子どもの教育に関して日々いろいろな問題が起こっているということだし、保護者の方々も子どもたちのことを一生懸命考えているからこそだと思っています。そして、そこも含めて子どもたちの学習や自立の支援なので、我々にとってはとても大切な役割であると認識しています。
ただ、いろいろな相談をお受けしている中で総じて言えることは、保護者の方々の子どもに対する思いが強すぎて、行き違いが起こったり、軋轢が生じたりしている場合がほとんどだということ。一歩引いて見守るゆとりが持てれば、もっともっと関係がうまくいって、子どもたちの状態がよくなったり、より成長につながるのに…と思うが、そこが簡単にいくようなら誰も苦労はしないですよねぇ…。苦笑
立場上、どうしても子どもたち寄りのスタンスでの話になりますが、やっぱり成長段階にある子どもたちにすぐに変われというのは無理な話だし、いろんなことができない(親の思うようにならない)のは子どもが持つ大事な特権。特権って、認めてもらえてこそ、初めて特権と成り得るのであって、認めてもらえなければ弱い立場の子どもたちはどうしようもなくなり、それまで以上に親が望まない方向に邁進するしかなくなる場合もあります。
自分を認め、きちんと受け止めてくれれば、子どもたちは安心し、より強い信頼関係が生まれます。
それは親子関係でも、生徒と先生の関係でも同じこと。そのために必要なことは、一段上からの目線で見たり、考えたりするのではなく、一段下がって同じ目線に立つことから始めること。
このたった一段の差は、成長過程にある子どもたちにはまだまだ昇ることができない高さ。でも、その高さを親の方が降りることは簡単なこと。だから、子どもたちを変えたいと思ったら、まずは大人が変わればいいんです。
まずは同じ高さに立つところから始めて、子どもに寄り添って、一緒に一段昇ってみませんか?