そつ啄の機

「師弟の出逢いの絶妙なタイミング」

才能を花開こうとする弟子と、それを見抜いて引き上げる師。上司と部下、母と子。両者の意識の高まりがあった時に出逢ってこそすべてがうまくいきます。
この絶妙なタイミングを得ることを「そつ啄の機」といいます。
何ごともここがグッドタイミングという瞬間があるもの。早すぎず、遅すぎず、その機を逃さず出逢う好機。それにはこれを見逃さない目と行動力がなければなりません。
相手がいての「そつ啄の機」ですから、自分の都合だけでなく、相手の動きや成長の真実を見抜く目を持つことが大切です。両者の「呼応」が奇跡を呼びます。「我逢人」は人と人が出逢うことの尊さを表現した言葉ですが、その時期が来なければ成立しない人間関係もあるものです。
人は「そつ啄の機」に出逢ってこそ花を咲かせます。

「そつ啄の機」=『そつたくのき』と読むそうです。
本当は「そつ」という字も漢字で、“口”へんに“卒”という字を書くのですが、このブログではこの字が表記できなかったので平仮名で表記させてもらっています。
自分の人生を振り返ってみても、まさにその通りだなぁ…と思いました。
人生の節目節目で、自分の人生にとても大きな影響を与えてくれた“師”と呼べる出逢いがあり、その出逢いのおかげで今の自分があると思います。
保育園のときのH園長先生、書道のA先生、珠算のO先生、中学校のときのW先生とY先生、高校のときのI先生。
今、この仕事をしていてずっと願っていることは、自分が関わった生徒たち一人一人にとって、その出逢いが「そつ啄の機」であったらいいなということ。
もちろん、今みんなの目の前にあるハードルを一緒に越えていかなければいけないので、そのための指導やアプローチはしていきますが、それ以上にその生徒たちが何年後か何十年後に自分の人生を振り返ったときに、「あの先生との出逢いで今の自分があるんだ」と思ってもらえるような先生になれるようにと思いながら、日々自分なりにがんばっているつもりです。
もちろん、そのためには自分自身がしっかり子供たちを見ていかなければいけないし、それ以上に自分自身が成長していくことが大切です。
偉そうなことを言ってみたところで、自分自身がまだまだ未熟な人間です。
まずは、自分がきちんその域まで成長することが必要。
まだまだ先は長そうだなぁ……。

-代表者ブログ, 禅の教え

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