“卵が先か?鶏が先か?”子どもに身に付けさせたいことの優先順位【其の壱】

『宿題や提出物を期限を守ってきちんと提出すること』

『宿題や提出物をきちんと自己管理できること』

この二つの課題を同一のものとして捉えられる子たちにとっては両方をこなすことは決して難しいことではないかもしれません。でも、それを苦手としている子にとっては似て異なるもの。この二つの課題をきちんとこなすために多くのハードルを越えなければいけません。

前者の一番大きな目標は『提出すべきものをきちんと提出すること』。すなわち結果を優先する課題。

後者の一番大きな目標は『提出すべきものを自己管理すること』。すなわち途中の過程を優先する課題。

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もちろん、前者、後者を問わず、できない部分や苦手な部分に関してはまわりに協力をしてもらいながら少しずつできるようにしていくことなのでどちらを優先するという考え方は必要なく、どちらも同時に進めたらいいように見えますが、意外とそうではないのです。なぜなら、苦手としている子はいろんな課題を同時にこなすことが難しく、作業工程が増えると余計にミスをする可能性が高いため、課題に優先順位をつけながら一つ一つを確実に身に付けていく方が結果的に早かったりするのです。

では、どちらを優先させるべきなのか?

その答えは非常に難しいです。というより、我々のような支援する立場の人間が出せる答えではありません。なぜなら、そこは保護者の方の考え方により、どちらもが正解であり得るからです。

具体的な話をしてみましょう。

前者の課題をクリアする必要性の中には提出の有無によって成績に直接影響したり、必要なものを必要なタイミングで入手したりといった、その後の進学への影響や日々の学校生活の中での問題に直結する場合が多いため、そういった点で困らないようにする目的が大きいです。

後者の課題をクリアする必要性の中には本人が自分自身の問題だということをしっかり認識し、自己管理することができるようになっておかないと、成長とともにどんどん増加してくる自己責任への問題という点で困らないようにする目的が大きいです。

言い換えれば、前者の課題は短期スパン、後者の課題は長期スパン的な要素が非常に多いのですが、どちらも大切な要素であるため、優先順位がつけにくいのです。

「だったら、同時に…。」と思われるでしょうが、それができるのであれば、保護者の方も我々も悩むことはないし、苦労もしません。先にも述べたように、そこが苦手で、そこに困り感があるからこそ、手順や内容をしっかり考え、行なう必要性があるのです。

もう少し掘り下げながら話を進めたいと思いますが、ちょっと長くなりそうなので、まずは問題提起と内容理解までということで、続きはまた次回にさせていただきたいと思います。

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