子どもの思い。親の願い。その溝をどう埋めるか…

目の前に“苦しいこと”と“楽しいこと”があったら…。

わざわざ“苦しいこと”を選ぶ人はほんの一握りいるかいないかで、大半は“楽しいこと”を選ぶであろう。自分自身のこととして考えてもその答えになる。大人ですらなかなか難しいことなんだから、子どもたちであれば、あたり前のように“楽しいこと”を答えとして選択するだろう。

ただ、選択時の基準が『今』だけではく、その先の『未来』も含めて考えられるようになると、時として、その答えは変わってくるだろう。特に、大人になるにつれて成長や経験から少しずつ『未来』への見通しが持てるようになり、点ではなく、線としての時間軸の中でいろんな選択ができるようになるし、そのためにも子どもたちは学びや経験を少しずつ重ねながら大人になる必要があるし、そうなって欲しいと思っている。

先日から、保護者の方と面談をしたり、個別にご連絡をいただいたりしながら、対応している高校生Rくん。彼にとって、『今』まさにその成長の過程の中で、“苦しいこと”の『今』から完全に目を背け、“楽しいこと”の『今』だけを求めて、いろんなことで保護者や学校の先生とぶつかり、もがいています。

もちろん、そこには本人の思いがあり、周囲の大人としてはちゃんとその思いを最大限くみ取り、彼の成長につなげようとしています。ただ、あたり前の話として『未来』を見据えた中で捉える『今』が、彼の思いをすべて満たすものではないため、必然的に溝が生じ、簡単には埋まりません。

支援する側として、保護者の方々がお持ちの子どもの『未来』を見据えての成長への願いは痛いほどよくわかるし、それが『今』すべき正しい選択だとも思っています。だからと言って、それだけをゴリ押ししてもいいことにはならないことも経験上知っているので、保護者の方と一緒に頭を悩ませながら今後の方向性を模索中…。

彼が『未来』への見通しを少しでも持ちながら、いろいろな選択ができるような成長につながるような『今』をみんなの力で見つけたいと思っています。

-代表者ブログ, ひとり言, 教室にて

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