法律で宿題禁止!!

「宿題がない」

って聞いたら、子どもたちはみんな大喜びだろう。しかも、それが国の法律で禁じられているとなると、ある意味、その国は子どもたちにとって楽園だと思うかもしれません
が、実際、そんな国があるそうで、そんな興味津々の内容の記事を現代ビジネスの配信記事の中に見つけました。

その国で暮らしている日本人の人が、子どもが小学校に入学した際に担任の先生が「毎日『筆記の宿題』を出します。」と言ったそうだ。日本人の感覚では当たり前の話なので、正直「なぜ、わざわざそんなことを言うの?」って思ってしまうだろう。

その担任の先生は「ただし『筆記の宿題』は必須ではないのでやらなくても大丈夫です。」と続けたから、これまた日本人の感覚では驚き以外の何ものでもない話。そこには、小学校に関しては『筆記の宿題』を出してはいけないと法律で定められているそうです。

その国はフランス。それも1956年という半世紀以上も前から…。

ただ、実はタイトルの言葉である“法律で宿題禁止!!”というのはちょっと誇大表現で、正確には先にも書いたように『筆記の宿題』が禁止なのであって、その日に勉強した内容などを再読するといった類いの宿題は認められているので、宿題全般が禁止で、まったく宿題がないってわけではない。でも、『筆記の宿題』がないということは、したかしないかがハッキリと見える形で現れるものはないので、ある種、宿題をやったかやらないかは自己申告というか、自己判断でなんとでもなるということなので、インチキしようと思えばいくらでもできる話。

その記事の中に、そこに至った背景がこのように記されていた。ちょっと長い文章になるが、そのまま引用してご紹介させていただくので、その理由をしっかり読んでみて欲しい。

【なぜ宿題が禁止されたか】
1912年、初めて宿題が禁止されたのはオート=マルヌ県の学区だった。その理由は3つ。
(1)子供の過労のリスクを回避するため
(2)学校外で勉強をする際の環境が一般的に悪いものであるため
(3)教師たちは宿題の添削よりも優先するべきことがあるため。

1956年には、個別に行う筆記の勉強について学校の時間内で週に5時間を設けることが決まると同時に、家での筆記の宿題が禁止された。この法律が特に強調したのは、学校外で行う筆記の宿題の不必要さだった。学校外という先生がいない場は、学習環境(道具や精神状態)が整っていなケースが多く見受けられるため、その教育的な意味が極めて限定的だというわけだ。

この法律によって、家ではなく、学校の時間内で筆記の勉強をすることの大切さが強調された。

しかしその後も実際には様々な理由をつけて筆記の宿題は出され続け、その度にそれを禁じる方向の新たな通達が出されてきた。そして1994年には、学校で授業とは別に、1日のうち30分間、「自習指導」の時間が設けられることになる。これはつまり、その30分間については、先生が児童を個別指導できるようになったということである。

この施策は、家庭環境の不平等から発生する「学びの遅れ」などに早めに対処することが目的だった。背景には、「義務教育はただそこにあるだけではいけない」「より平等な教育を目指さなければならない」という認識があった。家庭環境など、児童自身が自ら選んだわけではない事情で選択肢が狭まってはならない、それに対して学校側ができることは宿題の禁止である…というわけだ。

結局、簡単に言えば、子どもたちの学びに対して公平性を重んじるということと、子どもたちの学びについては学校が責任をもって行なうことだという風に私は解釈をした。その内容は、義務教育という考え方の中ではある意味あたり前の話だと思うのでだが、今の日本の教育のように完全にそこから逸脱してしまっていると、あまりにも新鮮ですごいことのように感じてしまう。

もちろん、学習も宿題も、またそれに関するルールも、それが形骸化してしまってはなんの意味もなく、その本質は子どもたちの学びと成長にあることは言うまでもない。だからこそ、その本来の目的をきちんと充足していくために必要なことは何なのか?そのためにするべきことは何なのか?をしっかり考え、それを実践するためであれば、宿題の有無や学校とそれ以外の場での学習環境の整え方はどんな形でもいいと思う。

そういった意味では、今の日本の学習環境やシステムであれ、フランスの学習環境やシステムであれ、またそれ以外であってもいいってこと。そこのところを大人はきちんと考え、きちんと子どもたちに伝え、その上で学びを重ねていくことこそが一番重要なのだから、その結果として、意味のある宿題であるならば大いにあっていいことだと思う。

でも、やっぱり“法律で宿題禁止!!”なんて、日本の子どもたちにはすっごい魅力的な話でしょうね☆笑

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