近年、大人になって発達障がいという診断を受ける人が多くなり、「大人になって発症するの?」といった疑問を持たれる方も多いかと思います。そのあたりについては、以前から何度か、本ブログでも書かせていただきました。
参考一例
2019年4月27日付け本ブログ『なぜ、大人になって発達障がいだと気付くのか?』
そちらでも、少し触れているのですが、大人になって発達障がいだと気付いたり、診断されたりする理由の一つに“仕事”における職場で表面化するケースが多いようです。そのことについて、もう少し深掘りして考えてみたいと思います。
その一番の要因は産業構造の変化にあると考えられます。
近年、第二次産業従事者と第三次産業従事者の就業比率が逆転しただけにとどまらず、第三次産業従事者の比率は右肩上がりで、ICT化や産業ロボットの技術革新等により、その傾向はさらに増大していくことは、もはや既定路線ともいうべき産業変化の流れであります。
と、小難しく言いましたが、簡単に言えば、製造業などのルーティンワークを中心とした技術系の機械と対峙する仕事が少なくなり、サービス業を中心とした人と対峙する仕事が求められる職種であり、就労の場として多くなっているということです。
すなわち、業務内容がマニュアル化、単一化されていた業種が少なくなり、相手に対して多様性や変化への対応等を求められる業種が多くなったため、そういった分野を不得手とする人々にとって直面する問題や課題が増え、その結果、職場でのトラブル等から病院等の受診、そして発達障がい等の診断へと結び付くケースが増えたことで乳幼児期や就学期ではなく、大人になってから診断に至るケースが多くなっていると考えられます。
そういった社会背景も含めて発達障がいの実状や特性への対応の必要性などについての正しい理解と認識を持ち、子どもたちの成長や発達段階において必要な支援をしておく必要がありますね。