①「知る」→②「わかる」→③「できる」→④「やる」

学習場面における大切なステップアップ。学習場面だけの話ではなく、日常における社会生活の中で成長するためにおいても大切なステップアップであると思います。

子どもたちにもこの段階をしっかり踏んで、成長してもらいたいと思っていますが、現実的には「…。」ではないでしょうか?細かい内容と一般的な達成度について、ちょっと考えてみたいと思います。

①「知る」

「知る」には大きく2つ、意図的な場合とそうでない場合。具体的に言えば、興味・関心を持った内容に関して、自らが学びであったり、調べたりといった形で情報や内容を得るのに対して、なんとなく情報として見聞きし、自分の中に残っている。いずれにしても、情報はあるので「知っている」ことにはなるが、その差は天地ほど違う。特に、昨今はインターネット社会やメディア社会の影響もあり、情報は巷にあふれているので、それは後者の「知る」であり、言い換えれば「知っている」程度の話で、本当に大切なのは前者の意図的に「知る」ことである。したがって、後者判断で言えば、達成度は非常に高いが、本当に求める域である前者判断で言えば、達成度は低いと言わざるを得ない。

②「わかる」

「知る」のレベルから「わかる」のレベルに達して、初めて本当の意味で自分の力にするための扉を開いたことになると考える。なぜなら、「わからない」の状態は、「知る」によって入り口には立ててものの、扉が開いていない状態、すなわち前に進むべき要素がまだないと言えるからだ。「わかる」ということは、子ども、大人に限らず、人間において大きな喜びであるはずだ。だから「わかる」に達することができたら、きっとそこから次に進もうという気持ちも大きく育つはず。ただ、ここで一番怖いのは「わかる」が「わかった“つもり”」になってしまっている場合が非常に多いということ。そういった意味での達成度としては一見高く見えるが、現実レベルでの達成度は、これまた低いと言わざるを得ない。

③「できる」

学習場面における問題についていえば、その問題を解くことができることが「できる」である。これは客観的に正誤として「できる」であるかどうかを見ることができる。それにより、②における「わかる」が本当にそうなのか、それとも「わかった“つもり”」なのかを正確に判断することができる。もっと言えば、「わかる」の細かい段階(どこまでわかっていて、どこからがわかっていないか)を推し量ることもできるので、指導する側としては指導における大きな指針となる部分だ。そして、この段階をクリアできるということは、②の「わかる」以上に人間にとっての大きな喜びになる。学習場面しかり、社会生活の場面しかり、ここが基本的な目標設定になる場合がほとんどであり、達成度は容易に図ることができるため、達成度は個々において非常に明確にわかっているはずだ。

④「やる」

一般的に③「できる」までが一つの段階であると思われがちだが、本当に大切なことであり、一つのゴールとしたいところは、この「やる」である。「やる」というのは、もっとイメージしやすい別の言葉で言えば「実行する」である。せっかく「わかる」や「できる」の域まで到達していても、それを「やる」というところに昇華しなければ、なかなか次に繋がらない。学習場面においての「やる」は、「できる」ようになった問題を解くことであったり、その内容ややり方などを記憶に定着したりといった具体的かつ継続的な努力を行なうこと。これなくして学びの完結はあり得ないのだが、「できる」をついついゴールと思ってしまいがちで、次に進むことを忘れがち。すなわち、そこへの達成度が非常に低い。

実は、この4つはタイトルのように横並びのイメージではなく、一つのサイクルとして循環するのだ。

最終段階ともいうべき、④「やる」までをしっかり行なう過程の中で、学びは関連内容に派生し、そこから新たな情報や内容を①「知る」ことができ、再び学びのサイクルが始まるのだ。そして、それこそが学びの本質であり、一番の楽しみなのだ。

でも…。

ほとんどの子どもたちはそこまでに至れていない。というか、学習場面においても社会場面においても大人が子どもたちをそこまで導けていないといった方が正しいのかもしれない。

この成長に結び付く大切なサイクルに子どもたちを上手に巻き込んであげたいです☆

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