不登校の子どもたちへの対応。【その1:保護者や周囲の大人はどうすべきか?】

現在、日本全国でどこぐらいの子どもたちが『不登校』の状態にあるのか?

ここでいう『不登校』とは、文部科学省により、以下のように定義されている状態のこと。

「不登校児童生徒」とは「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。(文部科学省)

今年2月に文部科学省が発表した「児童生徒の問題行動・不登校等調査」のデータによると、上記の定義に当てはまる子どもは、全国の小中学生合わせて13万3683人。これは前年度比で6.1%増加しており、4年連続増加しているということだ。

『不登校』になる理由は一人ひとり違うため、その原因そのものを見極め、根絶することは不可能なこと。ただ、『不登校』の状態になる子は、ある日、突然そうなってしまうわけではなく、必ずと言っていいほど予兆があり、それが限界に達した時、行けなくなってしまう場合がほとんどだ。

その予兆として現れる状態としては、「イライラしていることが多くなり、不機嫌になったり、周囲にあたったりすることが多くなる」「朝、特に休み明けなどは起きてこなかったり、準備に時間がかかるようになったりする」といった行動面で見られるものから、「頭痛や腹痛などの体調不良を訴える」といった申告を主とする症状から「吐き気や微熱」といった具体的な症状といった体調面で見られるものなど様々なサインがある。特に、体調面に症状が出始めると、かなり深刻な状態であると考えられる。

それらのサインはすべて、子どもから大人に向けてのSOSであることは間違いないのだが、『不登校』やそれにつながるなんらかの問題をまったく疑っていない周囲の大人は、それをSOSだと思わず、普通に対応してしまったり、場合によってはサボりや横着といった捉え方をしてしまい、学校行くことを強要してしまうことが多々ある。

そういった対応になってしまいがちなことを子どもたち自身もちゃんとわかっているので、自分が本当に苦しい場合場合でも子どもたちが自ら「学校を休ませて欲しい」とはなかなか言い出せない。自分が子どもだった頃のことを考えてみればわかるだろう。そこには子どもと大人の関係性の問題があり、子どもにとって、そこは簡単に超えられる壁ではないのだ。

その結果、悩んだり、苦しんだりしている子どもたちを追い込んでしまい、結果的にもっと厳しい状況になってしまってから対応する方がもっと大変になってしまう。

だから、もし、子どもたちが発するSOSの小さなサインを感じたなら、大人の方から少し歩み寄って話を聞いてあげるようにしたり、場合によっては「今日は学校休んで少しゆっくりしたら?」って言ってあげられたりしたら、子どもたちはすごく楽になるし、「ちゃんとわかってくれているんだ。」と感じられた子どもたちは、自分からハッキリとしたSOSが出せるようになり、問題が複雑化する前に解決する糸口になるかもしれません。

保護者の気持ちや大人の立場ではなかなか言いにくいことやしてあげるのが難しいようなことかもしれませんが、それこそが一番大切で子どもたちが待っていること。

その時に、本音とは裏腹な気持ちを抱えながら、表向きの言葉だけで伝えても、大人の本心の部分は確実に子どもたちに伝わってしまいます。

だからこそ、本音で…。

子どもたちのことを本気で心配しているのなら、思い切って割り切って、本気で向き合ってあげることが一番大切です。

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