子どもの大きな成長には『インプット』よりも『アウトプット』

学習場面だけに限った話ではありませんが、知識や情報に対するアプローチには大きく分けて『インプット』と『アウトプット』の2つの過程があります。その中で、一般的な学習場面においては『インプット』が中心になるのですが、それだけだとなかなか継続させたり、より効果の高い結果に結び付けたりするのは難しいことが多いです。

それは、子どもに限らず、大人であっても同じこと。
例えば、一方的に話を聞くだけの講演会などだとずっと集中を継続させておくことは難しいけど、ワークショップなどのような形式で逆に自分が話をする場面や活動をする場面があると集中の継続はもちろん、より高い理解や効果につながることは想像に難くないと思いますし、大人の方ならご自分の経験から「そうだよなぁ…。」と思う方も多いはずです。

『アウトプット』の具体的な方法は?

一番簡単な方法としては、学習したことを説明させるというやり方。自分が理解した内容や話させたり、書かせたりすることで相手に伝える。正しく伝えられるかどうかは二の次で、まずは伝えるために考えるという段階で本人なりに頭の中をせえ入りしようとすることに意味があります。簡単そうに見えて、実はものすごく難しい作業なので、その効果は絶大です。

もう少しレベルを上げるやり方としては、その内容が分かっていない友だちに教えさせる(先生役をさせる)とさらにすごい効果があります。自分が理解できるかどうかという段階を超えて、相手に理解してもらうためにその内容を噛み砕こうと思ったら、至難の業。そこを乗り越えられると理解の深さは自分が『インプット』で学んだだけのときの何倍もの効果があります。

これは、実際にSelfishの授業の中(少人数クラスの授業を行なっていた頃の話ですが…。)で、自分が解き終わった子に、別の子に教えてもらという形で取り入れていたのですが、よく先生役をしていた子は驚くほどの成長を見せてくれました。

ご家庭では、保護者の方が生徒役になったり、兄弟姉妹がいる場合には弟や妹に教えさせたりといった形で先生役にしてあげたらいいと思います。兄弟姉妹でやっている場合は、その延長で兄弟げんかに発展する可能性も高いですけど…。苦笑

『アウトプット』の難しさ

では、『インプット』に対して『アウトプット』がどれだけ難しいか。

身の回りの小さな子を思い浮かべてください。

まだ言語が発達していない小さな子(0歳~1歳児程度)は、自分の伝えたいことを保護者を含め、周囲にいる人たちににうまく伝えること(『アウトプット』)はうまくできないけれど、こちらの言っていることはかなりのレベルで理解ができていること(『インプット』)は様子を見ているとわかりますよね?

つまり、意思疎通のレベルを見るだけでも『インプット』する力と『アウトプット』する力の違いにどれだけ隔たりがあるかはよくわかると思います。だからこそ、それが少しでもスムーズかつ効率よくできるようになる練習をしっかり行なうことによって、思考の過程や結果により大きな効果をもたらすことができるようになるのです。

学習場面だけに特化したことではなく、日常生活の中においても会話の中で本人が思考して『アウトプット』しなければいけない場面を意図的に多く生み出したり、紙に文字や絵で書かせ、それを説明させたりなど場面を多く取り入れるだけで十分な効果が望めます。

こういったやり取りを増やすことで、子どもたちとのコミュニケーション機会を増やしつつ、成長にどんどん結び付けていきましょう!!

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