『記憶』には大きく分けて2つあると思います。
1つ目は、自分が意図的に記憶に残すもの。簡単に言えば、漢字や英単語、公式などを『暗記』するという作業などの過程における『記憶』。
2つ目は、経験や刺激を通して外部からの情報が記憶に残るもの。イメージ的に言えば「覚えてる」という表現を使うことが多い結果的な過程における『記憶』。
人は、その『記憶』を通して学習や日常生活を行ないます。ということは、いかにして効率よく、確実に『記憶』に残すかということはとても重要な課題です。特に、子どもたちに学習を教えていると、一生懸命(!?)意図的にやっているはずの勉強の『記憶』の方がなかなか定着せず、遊びや生活の中で無意識かつ自然に身に付いたことの方がよっぽど『記憶』に残っているような状態。
まぁ、やりたくてやっているわけではない学習であるということを考えれば至極あたり前のことのような気がするし、意図的にやってはいるが学習場面における内容ではその知識や内容を『記憶』に残るようにするための方法は絶対的なものがなく、永遠の課題です。
『記憶』に残すための伝え方の工夫
きちんと返事ができない子どもたちに、よく「自分が返事をしたつもりでも、相手に聞こえていなければ、それは返事をしていないのと同じこと。」だと話します。これは、きちんと結果につながれなければ、いくら勉強したと言い張っても、それは勉強していないのと同じだと言っていることと同じです。
それは、話をしているこちら側もまったく同じことが言え、ただ一歩的に話をしたら相手に対して伝えたことになるわけではなく、その伝えた内容がきちんと相手に理解されたり、相手の『記憶』に残ってこそ伝えたと言えると思います。
1.繰り返して伝えることで『記憶』への定着を図る
子どもたちがよく覚えている内容って、知らず知らずのうちに何度も繰り返し見たり、耳にしたりしている内容がほとんどで、よっぽど印象の強いことを除いて、通り一遍のことをやっただけで『記憶』に留めておくことは難しいと思います。ましてや、学習となると、子どもたちが率先して繰り返すのを望むのは難しいので、こちらが意図的に繰り返すことが重要です。
2.ポイントをシンプルかつ明確に伝える
まず、伝える前に、これから伝えるべき内容のポイントを伝え、相手にイメージをさせて余分な思考をする必要性を取り除くようにします。そうすることで、本当に伝えたい内容に集中できるようにし、そのポイントをしっかり集中して聞き、理解し、『記憶』できる環境を整えます。そして、最後には必ず、整理したポイントを再び伝えるようにします。そうすることで、1.で示した繰り返し伝える手法との連動性も図れます。
3.『記憶』にはそれを開くための鍵も一緒に
一説によると、人間の脳は生まれてからこれまでの『記憶』はすべてあるそうです。ただ、その『記憶』をうまく引き出せないだけ…。だから、『記憶』として脳に入れる際に、一緒にその『記憶』を引き出すための鍵をセットで入れることで、『記憶』を引き出しやすくしたり、引き出すためのきっかけを作ったりするのです。具体的な方法としては、歴史年表を覚える際の語呂合わせなどがその手法になります。
そうすることで、相手は伝えられたことがイメージしやすくなったり、『記憶』として定着しやすくなったりします。それが楽しい内容なら、子どもたち自身が何度も繰り返す口ずさんだりすることで、これまた1.の手法との連動性につながります。
他にもいろいろな手法が考えられますが、それもたくさんやりすぎるとそのこと自体が多すぎて『記憶』に残りにくくなるので、まずはシンプルかつ分かりやすい方法で伝え、『記憶』に残りやすくするように努めてみましょう☆