いろんな意見が飛び交ったに違いないだろう。それぐらい、簡単に答えが出る問題ではないし、どの考え方も決して間違いでもなければ、正解でもない。結局、答えのない中での正解探しに終着点はあるのだろうか?
不登校の子どもたちを中心とした学校に通うことが難しい子どもたちのための就学機会を確保する法案に関する議論が、一つの決着を迎えた。
結果は『否』。
この容認断念という結果の詳しい内容については、本日付けの毎日新聞の配信記事を以下に掲載させていただきますので、そちらお読みください。
<義務教育>フリースクール容認断念…慎重論多く
不登校の子どもや、夜間中学に通いたい人の就学機会を確保する法案の成立を目指す超党派の議員連盟は、不登校の子が通うフリースクールや家庭での学習を義務教育の一つの形態として位置付ける規定を見送る方針を決めた。実現すれば義務教育の場を学校に限定していた戦後教育の大転換になると注目されたが、「不登校を助長することになる」などの慎重論が上回った。
議連が昨年の国会提出を目指した法案では、保護者がフリースクールや自宅での学習内容や方法を「個別学習計画」にまとめ、これが市町村教委に認定されれば、学校に通わなくても義務教育を修了したと認める条項を盛り込んでいた。だが、「学校による子どもへの支援を充実させるべきだ」「時期尚早だ」などの反対意見が議連内で相次ぎ、合意に至らなかった。
一方で議連は、時には子どもが学校を休む必要があることを踏まえて、学校以外で学ぶ子の支援を規定する「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の実現を目指す。11日の議連総会で、各党の同意を得て今国会中の提出を目指す方針を確認した。
法案の試案は基本理念に、全ての子どもが安心して教育を受けられる学校での環境の確保▽不登校の子の個別の状況に応じた支援▽義務教育段階で普通教育を十分に受けられなかった人の教育を受ける機会の確保--を挙げている。
この理念を踏まえ、必要な財政措置をとることや、不登校の子の学習支援をする施設の整備などを国や自治体の努力義務に盛り込んでいる。フリースクールなど学校以外の場での多様な学習活動の重要性や休養の必要性についても触れる。
◇現状変える1歩に
フリースクールを義務教育の一つの形態と認める規定が見送られたことに、「フリースクール全国ネットワーク」の奥地圭子代表理事は「学校以外にフリースクールなどに通うことも選択肢にできる状況にならなかったのは残念だが、法案で学校以外にも学習の場があるとは認められた。理解が広まれば現状を変える一歩になりうる」と前向きに受け止める。
一方、「不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会ネットワーク」の下村小夜子共同代表は「不登校の子の学校復帰を目指す法律ができれば、学校に行けない子どもとその家族を今以上に追い込むことになる」と批判する。
こういった結果を導き出した慎重派の意見もよく分かる。しかし、本当に多様化している現在の教育事情、教育現場の実情を鑑みる中ではどういった形であれ、一つの正解と言える答えを出すことの方が難しいだろう。
上の記事の中で、反対意見や次の審議内容である法案の中身に書かれている『学校による子どもへの支援を充実させるべきだ』『全ての子どもが安心して教育を受けられる学校での環境の確保』といった内容については、本当に可能だと思っているのだろうか?と素直な疑問を持たざるを得ない。議論をしたり、法案を成立するだけでできるのであるならば、これまでにも行われ、教育現場が今のような状態に陥ってはいないであろうはずだから…。
現実を受け止めることから始めよう!!
子どもたちには、学校という場でたくさんのことを学び、しっかり成長して欲しいと思う。だからこそ、できるならば学校に行って欲しいと願う。
だが、そうでない子がいるのも現実。学校だけが学びや成長の場ではないというのも現実。それがあたり前だった時代の大人の尺度では今の子どもたちは測り切れていないのも現実。そういったたくさんの現実を目の前にして、それを認められない、認めたくない大人たちがたくさんいるのも現実。
甘やかすことが教育だとは思わないし、許容範囲を闇雲に広げればいいとも思わない。しかし、大人が作ったルールの中に入りきれない子どもたちがいる中で、そのルールの中に入れるように子どもたちを変える事よりも、子どもたちが入り切れるように大人がルールを少し変えてあげることの方がより現実的な話だし、可能性は確実に広がるだろう。子どもは一足飛びでは成長できないので、少し大人が歩みよって、ゆっくり成長している子どもたちに寄り添うことから始めると、きっと何かが変わるはず…。
次なる法案に向けての考え方の発展を期待します☆