発達障がいについて少しだけ学んでみませんか?【LD編(4)】

学習する力にかかわる3つの要因
①理解の程度…知識を増やすだけではなく、何を、どこまで理解しているかに合わせて学ばないと学力はつきません。
②認知…見たり聞いたりした情報を、脳で整理する一連のプロセスです。新しいことを学習するうえで欠かせない脳の働きです。
③やる気…勉強をやろう、がんばろうと思う気持ちがあるのとないのとでは、学習の効率は当然変わります。

サポートする上でまずやらなければいけないことは、上記の3つの要因のうちでどこが問題点になっているのかをしっかり見極めること。その上で具体的な対処法を効果的に行なう必要があります。

対処法の基本は『子どものやり方』

その具体的な対処法を考える上で一番大切なことは、我々大人が『親のやり方』『先生のやり方』といった自分たちのルールを押し付けるのではなく、一人ひとりの子どもに合ったやり方を見つけ、それをしっかり反復させることです。問題の解き方同様、学びの環境絵の作り方は、入り口も通る道も決して一つではなく、多岐にわたっているのです。

もう一つ大切なことは、家庭と学校、その他の関係機関がしっかり連携して、情報共有した上で、対応することです。

それができないと、効率よく伝えたり、反復したりすることができないし、なにより一番の問題は子どもが混乱してしまうこと。お父さんやお母さんが言うこと、学校の先生が言うこと、塾の先生が言うことなど、それぞれが違うことを伝えたら混乱させるだけでいくらがんばってもマイナス効果です。

失敗体験ではなく成功体験を!!

特にLDの子の場合、一部の特化した部分が苦手なことが多いため、他のことと比べてそのことに対しては特に怒られたり、否定されたりすることが多くなり、いい意味での成功体験を積み重ねにくい環境になります。でも、そんな中でどれだけの成功体験を積めたかということが、成長への大きな鍵となります。

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失敗から学び、成長につなげることも一つの大事な方法であり、経験です。しかし、がんばってもできないことで、がんばっていることも認めてもらえず、できなかったことばかり怒られていると、そのことだけでなく、すべてのことに嫌気がさして他のことまでできなくなってしまうこともあります。

【+が+を生む】
①「できる」と認められることが追い風になる
周囲の人が、子どもの努力を認め、成功をともに喜ぶ姿勢が、子どもの背中を後押しします。
②「できる」という気持ちが燃料になる
1つの目標を達成した自信、満足感が、ほかのこともできるかもしれない、次もやってみよう、という前向きな気持ちを生み、前進のパワーになります。

キーワードは『スモールステップ』と『絶対評価』

子どもたちをサポートしていく上で大切になる2つのキーワード。どちらの言葉も最近はよく耳にする言葉ではないかと思います。

『スモールステップ』はその言葉の通り、“小さな歩み”です。子どもたちが成長していく上で大きな道標になるのが目標や夢。それを最終目標として設定すると同時に、その過程を幾つもに分けて、細分化した小さな目標を設定し、その一つひとつをクリアしながら前に進んでいくのです。

大人でもいきなり大きな目標や課題を課せられて、それを一気にクリアしていくことは決して簡単なことではありません。ましてや子どもたちならなおのこと…。

小さな目標を設定し、それをクリアするたびにしっかり賞賛を与えて、子どもたちに達成感を感じてもらう。そして次の目標へ。それが子どもたちにとってのやりがいや継続する力になります。

『絶対評価』はその子自身の成長をきちんと評価すること。対義語は『相対評価』で、この2つの違いは昔の通知表と今の通知表をイメージしてもらったらわかりやすいと思います。

昔の通知表は、クラスの中でその子の成績がどのあたりに位置するかを5段階や10段階で評価してたもの。すなわち、他者との比較による評価。いくらその子ががんばっていても、その子よりもう少しがんばった子やちょっと能力の高い子が評価されちゃうことで、必然的にその子の評価は下がってしまう。子どもにしてみれば、がんばりに対しての本当の評価が見えにくい。これが『相対評価』。これだとどうしても次にがんばるモチベーションに繋がりにくいってことになります。

これに対して『絶対評価』においては、その子にとってのライバルはまわりのお友だちではなくて自分自身。少し前にはできなかったことが、今はちゃんとできるようになった自分がいる。それをみんながちゃんとわかってくれて褒めてくれ、また次のライバルである今の自分を越えられるようにがんばる。その道順を一緒に考え、歩み、褒めてあげることがまわりの大人たちの役目。

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