発達障がいの分野において著名な杉山登志郎の書籍のご紹介です。
本のタイトルが『子育てで一番大切なこと-愛着形成と発達障害―』。
保護者の方にとって、すごく興味深いタイトルだと思います。
特に、発達障がいの子どもたちへの対応について、日本の教育現場の現状とアメリカの教育現場の現状の違いに触れながらいろんな学びがいただけそうな1冊です。
この本を紹介していた記事にはこんなことも書かれていました。
日本では特別支援教育の免許を持っていなくても通常校の支援クラスは担当できることになっているが、多くの先進国は、通常の教員免許を取得したうえで、大学院を出てはじめて特別支援教育の免許が取れる制度になっている。専門の教育を受けた者以外が特別支援教育に携わることはないのだ。
具体的にこういった話を聞くと、日本における特別支援教育に関する認識の低さや遅れを感じずにはいられません。
またこんなことも書かれていました。
ギフテッドの特別支援教育が日本にも入ってきてほしい理由がある。それは、特別支援教育そのもののイメージが変わると思うからだ。ギフテッドを受け入れることで、特別支援教育が通常教育より下のもののように受け止められる今の状況が一変するのではないだろうか。
まさにその通りだと思う。教育現場における認識の問題だけではなく、学校生活や日常生活を含めた上で生じている異なったイメージや誤解を払拭することが、いろんな意味で困り感を抱えている子どもたちの居場所づくり、伸び伸びと過ごせる社会ができるのだと思います。
日本の教育現場では、みんなで一緒に同じことを学んでいく『全体主義教育』がまだまだ根強く根底に在る。その教育観そのものが悪いという話ではなく、それにはそれの良さがある。ここまでの日本の繁栄の基盤を作ったのが『全体主義教育』であったことも間違いではないと思う。
しかし、子どもたちを取り巻く教育環境が変わり、社会での生き方の多様性も広がった今の世の中では、変わらないことが本当の意味で変わらなければいけないことへの弊害となることも考え、変わることを恐れず、いい方向へ進んでいく環境を整えなければいけない。
そんなことを考える上でも、こういった書籍に触れ、自分の見識を広げることも大切ですね。