授業中、国語の問題の解説をする中で出会った文章。
タイトルは『温かいスープ』という、タイトルからしてとても温かさを想像させるお話。
ページ数にして4ページという短いお話ではありますが、筆者である今泉友信さん(東京都出身の哲学者)が、この教科書のために書き下ろした作品だそうです。
その中で“国際性”について書かれている筆者のエピソードがとても心温まる素敵なお話で、最後に書かれている一説がすごく印象的だったので、ご紹介させていただきます。
国際性、国際性とやかましく言われているが、その基本は、流れるような外国語の能力やきらびやかな学芸の才気や事業のスケールの大きさではない。
それは、相手の立場を思いやる優しさ、お互いが人類の仲間であるという自覚なのである。
その典型になるのが、名もない行きずりの外国人の私に、口ごもり恥じらいながら示してくれたあの人たちの無償の愛である。
求めるところのない隣人愛としての人類愛、これこそが国際性の基調である。
(教科書P.182~P.185 本文より抜粋)
ある意味、日本人が一番苦手としている部分じゃないですかね?
心の中にそんな思いを持っていたとしても、それの表現方法がすごく下手で出せない日本人。
国際社会の一員として、この先日本人が他の国の人たちとコミュニケーションを取りながら進んでいく上で、欠かすことのできない大切なことを教えてくれている気がします。
ちなみに教科書とは、倉敷市の中学校で採択されている光村図書の中学3年生用の国語の教科書ですので、もしお手にする機会がありましたら是非読んでみてください☆