人の幸せ

学校で配られた資料の中に、キャリア教育を受けて感銘を受けた教頭先生がその内容を一部紹介してくださっている資料があり、目に留まりました。

そこで紹介されていたのは読売新聞の「はたらく」という連載記事の第1回「いきがい」という記事。
2009年2月11日の新聞に掲載されていたもので、日本理化学工業の大山泰弘会長のお話。

本文をそのままご紹介させていただきます。

『東京タワーが開業50周年を迎えた2008年12月23日、多摩川に近い川崎市高津区の工場で、もう一つの50年を祝う拍手が響いた。

社員らの笑顔の輪の中心で涙ぐんでいるのは林緋紗子さん(64)。
チョーク製造大手の日本理化学工業が半世紀前、初めて採用した知的障害者2人のうちの1人だ…。

日本理化学工業が知的障害者を雇用することになったのは昭和34年。
養護学校の教師が卒業を控えた15歳の女子生徒の就職を頼みにきたことから始まった。

「最初は同情からだった。しかし、彼らと働くうちに彼らから教わる方が多かった」と、会長の大山泰弘さん。
休憩のチャイムに気づかないほど夢中に働いた。

そのいちずさが同世代の子を持つ社員の胸を打った。
2週間たった最終日、採用を考えていなかった人事担当者を社員が囲んだ。「私たちが面倒をみますから、一緒に働かせてあげて」…。

健常者に比べれば、作業を覚えるまでに時間はかかる。
記憶したり覚えたり教えたりすることも苦手だ。

でも、明るい笑顔が職場を照らす。
ハンデの社員を支えようと社内に一体感も生まれた。

林さんは4月、定年退職する。勤続年の盾はタンスの上に飾った。・・・

「知的障害者は、人の幸せとは働くことなのだと気づかせるくれた。企業はもうけることの大事だが人に働くよろ漕ぎを与えれることが大きい」と、日本理化学工業の大山泰弘会長は話す。

障害者の雇用拡大に迷いがあった頃、禅寺の僧侶に教えられた。
「人の幸せは四つ。愛され褒められ役に立ち必要とされることと。働くことで少なくとも三つて手に入るんだよ」と。』

さらにこれに教頭先生の言葉がこう続いていました。

「学校や家庭では四つとも手に入るのではないかと思いました。」と…。

心温まるお話と共に、幸せを与えられる環境を整えられるようにがんばりたいと改めて思いました。

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