韓国・仁川(インチョン)で行われているアジア大会。オリンピックなどの世界大会と違い、なかなか注目されることの少ない大会ですが、アジアのオリンピックとも称されるこの大会は、ある意味日本の本当の力を試される大会だと思います。
たまたま少し時間があって点けたテレビで、男女の4×100mRの決勝を見ることができました。
自分が現役でやっていた頃から、陸上競技の中で一番好きなこの種目。見ているだけでもワクワク&ドキドキする、陸上競技の中で数少ないチームワークを求められる、緊張感のみなぎる最高に楽しい種目です。
結果は、男子が銀メダル、女子が銅メダルという成績でした。これが日本の現実的な力。諸手を挙げて喜べる結果ではないけど、決して恥じるべき結果でもない思うのですが…。
スタート前の選手の表情、レース後インタビュー。見ていて一番感じることは「選手が楽しんでない」ということ。タイナショナルチームに帯同している公式カメラマンの知人がそんな様子(陸上競技に限らず、すべての競技において)を現地で見て、こうつぶやいていました。
「ほとんどの国の選手がメダル獲得の喜びと感謝を述べるのに対し、日本の選手は反省点と課題をあげる。これって国民性?」
まさにその通りだと思います。銅メダルを獲得した女子のリレーメンバーの選手は、インタビューで涙を流しながら反省の弁を述べていました。アジアで3位になったのに…。
もちろん、目標が“優勝(金メダル)”であり、それに対しての結果を受けてのコメントなのだからわからないでもないが、そのあたりが日本人の真面目な気質からくるものであり、国民性ともいうべきものなんでしょうね。
スポーツは特にメンタルがとても大事な要素。そして、メンタルにおける緊張はそのまま筋肉の緊張につながり、メンタルのリラックスは筋肉のリラックスへとつながる。それはすなわち、本来その選手が持っているパフォーマンスを出し切れるかどうかの大きな分岐点。
スタート前にカメラに向かって笑顔で手を振れる選手と緊張感バリバリで笑顔のない選手とでは、自ずと結果が見えてくる。
でも、あの場面で笑顔で笑っていて、結果的に負けると「レース前に緊張感が足りないからだ‼︎」的なことを言うのが日本人。特にマスコミの方々。そんな感じで周囲が期待だけして、結果的に選手の足を引っ張っている形になっているのもた日本人の国民性。
日本人の真面目な気質は世界に誇れる素晴らしいところである。ただ、時としてその真面目な気質はマイナスに要素にもなる諸刃の剣であることをきちんと理解し、使い分けられるようになることも勝つためには重要なこと。
簡単な話、まずはしっかり楽しめること、そして結果を素直に喜べること。後のことは、また後で…。今持ち得ている真面目な気質に、そんなフランクさを併せ持つことができると、日本人ってもっともっと世界の舞台で戦える力を持っていると思う。
まずはアジアでトップの座を。そして世界へ。
やっぱり、いろんな舞台で日本人が活躍している姿を見たい。そんな日本人の一人です☆