ルールの混乱と自信と過信

中学一年生の数学。

この2ヶ月の間に正の数・負の数という新しい概念を学び、その加法と減法、それから指数も含めて乗法と除法を学んだ。

もちろん、その先に出てくるのは正の数・負の数に指数も含んだ四則計算。新しい計算のルール自体はさほど多くなく、それぞれ個別にやっていた時にはそれがきちんとできているのに、四則計算になると一気にミスが増えて正解率が下がる。

加えて、一度間違えたものを直すのだが、なかなかその間違えに気付けず正解に至らない。

そもそもの間違えの原因は、ルールの混乱。そして、加法と減法、乗法と除法を個別にやっていた時はできるようになり、その時つけてしまった自信が過信となってしまい「自分のやり方は合っている!!」と決めてかかって見直しをしているのでルールを間違ってしまっている場合にもその間違いに気付けないのだ。

人間誰しもそうだが、ルールが少ないうちはさほど混乱することはないので間違えにくいが、ルールが増えるにしたがってミスする度合いは高くなる。ましてや、発達障がいの特性の一つでもある不注意傾向のある子や順序立てて物事を考えることが苦手な子にとってはそのハードルの高さは飛躍的に高くなり、必然的にミスが増大する。

それを防ぐために、一度にたくさんのことを教えずにできるだけ計算過程やルールをシンプルかつ少なくする形で教え、それを徹底的に反復するという形で一つひとつのことを定着していくようにする。そしてそれができるとしっかり賞賛し、本人は自信を積み重ねて次へと進む。それが大事な進め方であることは間違いないのだが、どうしても反復期間が長くなる(長い時間が必要になる)分、新しいことが定着する頃になるとその前の内容が抜けてしまいがちになり、そのことが混乱を招く原因にもなってしまっている。

最終的に求められる問題のレベルは複合体の場合(今回で言えば四則計算。さらにレベルが上がると、整数計算に加えて小数や分数も含まれてくる。)がほとんどなので、そのレベルの問題の正解率を上げていくには、その複雑な課程の問題を繰り返し繰り返し練習して、より複雑になったルールを確実に身に付けるようにするしかない。複雑に絡み合った糸のようなルールの混乱を丁寧に解き、再度定着に向けてがんばって、今度こそ本当の自信として本人の力に変えていく。

根気のいる作業だし、なにより本人にとっては苦しいことで投げ出したくなることだが、そこを踏みとどまって喜びに変えられるように一緒にがんばるしかない。

千里の道も一歩から…。

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