日本陸連の2020東京オリンピックへの代表選考基準の提案について、参加選手を中心に、その方向性についていろんな意見が取り沙汰されている。
特に、個人的に気になるのが、100mと200mの個人種目で、原則的に1種目のみとするという選考要項だ。実際に、その両種目+400mリレーの3種目での代表入りを目指しているサニブラウン選手がこの方針に対して異論を唱えていることが報道されているが、それも思いっきり納得できる。
日本陸連の発表内容としては、「大会日程の過密スケジュールの中で、無理をすることなく、1種目に絞ってリレーでがんばって欲しい」ということで、金メダルの期待もかかる400mリレーでの結果を最優先するため。
もちろん、選手は日本代表として参加するオリンピックである。そこに連盟や協会の意向がある程度入ることも仕方のないことだと思うし、そこに日本中の期待があるから結果に結び付けるための基準ができるのもわからないではない。
でも、基本的には、選手のためのオリンピックであり、選手は自分のパフォーマンスを最大限発揮し、自分の力を試すために何年もかけて準備をし、厳しいオリンピック選考を勝ち抜き、代表の座をつかんで、晴れ舞台に立つのだ。だからこそ、選手自身が納得できる形で出られるようにするべきだと思う。
そして、それはパフォーマンスや結果にも影響してくると思う。
自分自身が学生時代に競技をしていた(もちろん、トップレベルの選手とはレベルが雲泥の差だが…笑)アスリートの端くれとしての経験から言わせてもらうと、自分が決めて出場するレースとそうでないレースとでは、そこに大きな差があるし、自分自身が走りたいレースに出るか出ないかでスタートラインに立った時の選手自身のモチベーションが大きく変わる。
そういう意味でも、自分が納得してそのレースに出ないことと、出たいレースに他の人の意志で出られないのとでは、全然違う。そうなると、他の種目に対するモチベーションにも関わり、結果にも影響が出かねない。
もちろん、トップレベルの選手となると、そのあたりも含めてちゃんと準備をしてレースに臨むんだと思いますが、それでもやっぱり、選手の気持ちを最大限優先して、レースに向かわせてあげて欲しいし、そうすべきだと思う。日本代表の大活躍を心から願っている一ファンとして、選手ファーストでレースに臨める環境が整うことを願っている。
日本が400mリレーで悲願の金メダルを取るために☆