学習障がい(LD)については、みなさんもいろんな情報をお聞きになったことがあると思いますし、本ブログでも何度かその内容等についても触れてきました。
一般的に認識されている学習障がい(LD)として、書字障がい、読字障がい、算数障がいなどがあり、ある特定の分野で困り感を抱えている子どもたちが多いのですが、イメージ的に、教科として国語や算数でその特性が多く見られるように感じますが、実は中学生になって(今は小学校でも授業が始まりましたが…)英語で困っている子も多いのです。
主に、“単語”が覚えられない、書けないといった場合が多く、英語という教科の勉強において単語でつまづいてしまうとその先のすべての学びに影響してくるので単語でつまづくというのは非常に大きな問題です。
そもそも、書字障がいといった特性の場合、漢字を中心に覚えられない、書けない、誤字が多いといったケースがほとんど。
その点についてちょっと考えてみて欲しいのは、たしかに漢字は1つの字に読みや意味は複数あるものがほとんどだし、書き(画数)も複雑なものが多い。その上、小学校6年間で習う漢字だけでも1,000字以上もあり、習得はとても大変です。でも、覚えるべき漢字は『表意文字』と呼ばれるもの。その文字自体が単なる記号的なものではなく、意味を持っている場合がほとんどなので、覚える際のきっかけ作りや意味付けは比較的しやすい。
それに対して、英語で使うアルファベットは『表音文字』と呼ばれるもの。その文字自体は単なる記号的なもので、単体では意味を持たず、その文字の組み合わせによって初めて意味を成す言葉となる。
大文字26字、小文字26字の計52字しかないんだから覚えるのは簡単だと勘違いされる方が多いですが、それはあくまでアルファベットという文字を覚えるだけの話であり、その組み合わせによって無数の言葉を生み出す単語となると、ある意味、漢字を覚えるよりもよっぽどやっかいなものなのです。
そういった意味では、学習支援の場においても、その子の得意な意味付けであったり、組み合わせであったりを考え、覚え方の工夫をすることが大切になります。
学習場面においては、決して複雑なものが難しく、簡単なものがやさしいというわけではなく、簡単でシンプルなものほど理解や記憶は難しいということも念頭において、子どもたちの学習に向き合ってあげてください。そうすると、子どもたちの困り感にもしっかり気付いてあげられるようになりますよ☆