発達障がいについては、決して一括りで考えることができるわけではなく、同じ診断名がついていても、一人ひとり異なる特性を持っているため、必然的に対応方法も異なるなど、概要等については本ブログでもこれまで何度もご紹介させていただきました。
みなさんも感じていらっしゃることではないかと思いますが、ここ数年~十数年で、発達障がい、特にその対象が子どもたちである発達障がい児(診断もしくは疑いがあると言われている児童・生徒)が以前に比べて急激に多くなっています。
そのあたりについて、幻冬舎GOLD ONLINEに詳しく書かれた記事が掲載されていたので、一部データや内容等を抜粋させていただきながら、ご紹介させていただきたいと思います。
(※画像は、上記幻冬舎GOLD ONLINE記事に掲載されていた文部科学省による2015年の調査データの資料をそのまま引用させていただいております。)
ASDでは約3.1倍、ADHDでは約6.3倍、LDでは約8倍
通級による指導を受けている児童生徒数のデータから平成18年と平成25年の人数を比較してみると、自閉症は約3.1倍、注意欠陥多動性障害は約6.3倍、学習障害は約8倍に増えています。
(※文部科学省:平成25年度通級による指導実施状況調査より)
障がいにより数字の違いはありますが、約3倍~約8倍に増加しいているというデータ。それも、通級指導教室によるデータということは、確実に認知されている数字に基づくものによるもの。仮に、諸事情で認知されていない、潜在的な数を網羅したら、このデータはさらに大きくなることは想像に難くない。
では、なぜ、これほどまでに増えているのか?その原因については、このように記載されていました。
判断基準の変更、認知度の向上
発達障害の診断基準が変更されたことで、該当する子どもの割合が増えたことが挙げられます。かつては、広汎性発達障害という上位概念のもとに、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などの下位分類が存在していました。しかし、DSM‒5以降、症状の軽い状態から重度の状態までをスペクトラム(連続性)としてとらえる ASDという概念に統一されたために、該当する人の割合が増えたと考えられます。
ただ、この診断基準の変更による増加という点においては、医療機関や相談機関など専門的な機関でのデータへの影響が大きくなる場合がほとんどだ。しかし、さらにそこから保護者や教職員などに伝えられることや社会のいろんな場面でたくさんの情報が人々に触れることで、正しい、正しくないは抜きにして、多くの人たちに認識されるようになっていることが急増している理由の一つであると考えられます。
その結果…
・保護者に対して「発達障害の可能性があるので病院を受診してみてはどうか」と勧める先生も増える。
・自分の子どもに育てにくさを感じていて、(ネットなどで)チェックテストをしてみたら発達障害の可能性が高いとなれば、病院へ診察を受けに連れて行ってみようと考える。発達障害の疑いがある子どもの受診率が上がれば、今まで見落とされていた子どもが、発達障害の診断を受けることになります。したがって、発達障害とされる子どもの数が増えるというわけです。
他にもいくつかの理由は考えられると思いますが、現状、データとして挙げられる数値が急増している理由として考えられること。
だからこそ、簡単に情報に振り回されるのではなく、正しい知識や情報をきちんと収集し、必要に応じて専門家や専門機関にきちんと相談して、子どもたち自身が今と未来において困ることが少しでも少なくなるように働きかけていくことが必要ですね。