日本人にとって、相撲界での久々の明るい話題。19年ぶりとなる待望の日本人横綱の誕生のニュース。別に相撲ファンというわけではないが、やっぱり、こういった話題はうれしい気がする。
今回、横綱審議委員会が満場一致で横綱昇進を決めたわけだが、それに関するいろいろな報道の中で、稀勢の里関の人柄や性格に関する記事にすごく感じるものがあった。
相撲関係者が稀勢の里関を相撲に関して言えば『不器用』で『愚直』だと表現するらしい。
相撲での攻め方もワンパターン。それゆえ、立合いで揺さぶられると対応もできず、それが弱点であり、課題であることは昔も今も変わらず…。それでも我が相撲道を突っ走ってここまで来たという。
それが数字として表れているのが、横綱審議委員会が横綱昇進を決定した一つの理由に安定した勝率。昇進前の6場所の勝率は8割2分で2016年は一度も優勝がないまま年間最多勝を獲得したそうで、これは史上初めてのこと。その安定性を支えているのが“愚直なまでにぶれない”、“変わらない”という稀勢の里関の相撲スタイルではないかと書かれていた。
それを支えてきた親方の教え
そしてもう一つ。そんな稀勢の里関の人柄や性格と相撲スタイルを支えてきたのが、先代の親方の教えであったという。その信念は「稽古はうそをつかない」というもの。その信念に基づく血と汗と土にまみれる猛稽古が稀勢の里関の基礎と相撲スタイルを作り上げ、横綱に押し上げたのだろう。
『不器用』『愚直』といった言葉は、どちらかと言えばいいイメージでは使われないことの方が多い気がする。でも、それ故にブレずに一つの道を貫くことができる強さがそこにはあると思うし、決して誰にでも簡単に真似のできることではない。
先代親方から稀勢の里関に教えられた「稽古はうそをつかない」という言葉と同様に、「勉強はうそをつかない」ということを子どもたちにも伝えたい。
一見無駄に見える勉強も、その勉強の過程における努力も、決してうそをつくことはなく、やってきたことやがんばってきたことは、すべて自分の成長を支えてくれる大事な力となる。そして、それが結実したとき、自分の夢が叶うのだということを信じて苦しい今をがんばって欲しい。
稀勢の里関が、それをちゃんと示してくれてます。