消費税増税延期というニュースを見て、単純に日々の自分の財布の中身のことだけ考えると、素直によかったなと思ってしまった浅はかな私。でも、そんな人も決して少なくないはず…。
産経新聞に出ていた日本総合研究所の試算では、年収300万円の家族2人以上の勤労者世帯の場合は年間3万3600円、年収1千万円では同6万3600円の負担増になるとのこと。決してお安くない金額だ。
だからこそ、増税が延期になったことで個人消費の冷え込みを防げるという理屈は一理ある。かと言って、そもそもそんなに余裕のない人間にとっては、多大なる消費をしているわけではないので大きな差はない気もするが…。
消費税増税の背景
しかし、その背景にある増税による財源での子育て支援などの施策はどうなるのだろうか?子育て支援が充実されなければ、子どもの預け先のない保護者は働くことができず、結果的に収入減になると必然的に消費減へとつながることは目に見えている。
加えて、ただ子育てにおいて預け先等の問題だけにとどまらず、収入減の先にある消費減の中には、もちろん子どもたちの教育費も含まれてくる。現時点でも問題視されている世帯間収入格差による教育のレベル格差がさらに大きくなることも危惧しなければいけないこと。
子育て支援のことがクローズアップされていたので知らなかった年金の問題も改めて知って驚いた。(ただ単に、不勉強なだけだが…苦笑)
今回の施策の中には年金を受け取るために必要な保険料納付の期間を25年から10年に短縮することで無年金者の約4割が救済される可能性があるという。年金問題もこの国が抱える大きな問題なので、今回の増税延期による影響は計り知れないものがあるのかもしれない。
消費税増税自体はほとんどの消費者に影響のあることであり、目先のことであるため、増税しない=負担減という図式で喜ぶ人も多いだろう。しかし、高齢者、介護が必要な人、子育て世代や子どもたちへの社会保障制度が充実しないということは、まわりまわって、消費の冷え込みにつながることになることぐらい政治家はわかっているはず。
本音はどこに…?
個人消費の冷え込みを抑えるという大義名分の下で国民の目先に消費税増税先送りという人参をぶら下げ、本音の部分としてはこれまた目先に選挙を与党が有利に戦うためのエサをばら撒いているにすぎない政治家の思惑。本気で日本の先行きを考えているのか、それとも本気で考えているのは政治家としての自分たちの先行きだけなのか?
国民はそんなにバカではないことにそろそろ気付いて、未来につながる日本の国づくりをして欲しいものだ。
教育、福祉を中心とした社会保障の充実。国民が安心して暮らし、子育てができる国づくりのためにはしっかりとした未来のビジョンが見えるようにして欲しい。