フィンランドの教育ってやっぱりスゴイ!!

フィンランドの教育レベルが世界的にトップレベルにあることはよく知られていることであり、何度か本ブログでも述べさせてもらいました。今回、フィンランドと日本の教育の違いについて書かれている記事を読み、「やっぱりスゴイ!!」と感じた教育内容。その記事の内容をご紹介しながら、世界の教育事情と日本の教育事情について少し考えて見たいと思います。

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フィンランドの教育レベルと教育の特色

まず、フィンランドの教育レベルについて、具体的な数字でご紹介。

国際学力比較調査「PISA」(主に先進国を中心とした15歳の児童の学力調査)で、2004年には読解力、科学部門で第1位、数学では第2位、問題解決力では第3位にランクインし、総合1位を獲得した高水準の教育を実施している教育先進国。

以前はアジア全域でもトップレベルを誇っていた日本の教育レベルは、現在では東アジアに限定してもトップになれないといった悲しい現実があります。ご存知のように、日本の教育レベルの低下は著しいのです。

教育の特色については、以下のように記載されていました。

少ない授業量と年間授業日数

フィンランドの年間授業日数は約190日で、OECD加盟国(34か国)の中で最も少なく、日本と比べると40日ほど少ないことになります。夏休みは6月中旬から8月中旬までの2カ月間と長く、小学生の間は宿題やテストもほとんどありません。
また、日本の様に塾がないため、校外で勉強することがありません。家での勉強時間も他の国と比べると少ないです。
そうすることによって、フィンランドの子供達は、休む時にしっかりと休み、なるべくフレッシュな状態で、自発的に勉強に取り組めるようにモチベーションを保つことができているようです。

小学校から大学までの授業料が無料

子供たちを人財と考えているフィンランドでは、国の教育政策として子供達一人一人を手厚く保護していて、日本でいう小学校、中学校、高校、大学または専門学校までの授業料を全て無料にしています。そうすることによって、みんなに平等に勉強できる環境を与えています。

平等で均等な教育を受けることができる

フィンランドでは、1クラス20人前後と少人数制で授業が行われ、勉強が苦手な子には補習制度なども行われ、特別学力の低い子ができないような教育システムができています。そのため、学校内でも他学校との間にも学力の差が少なく、国内全体で一定の学力の維持を行っています。

多い読書量

フィンランドは読書量でも世界1位です。そんなフィンランドには図書館もたくさんあり、また、休みが多いことで本を読む時間が確保できるようになっています。

質のいい教師

フィンランドでは、子供達からの教師への憧れが強く、なりたい職業ナンバー1の職業とされています。
日本の優秀な人たちが、主に官僚、弁護士などになる人が多いのに対し、フィンランドでは教師になります。フィンランドは、ヨーロッパで唯一修士号を取得した人のみが教師という職業に就くことができます。そのため、必然的に教師自体の学力が、他国と比べ高いようです。
また、部活動や課外授業がないため、教師が勉強を教えることだけに専念できる環境になっています。

日本の教育の問題点と現場の質の低下の原因

日本の子供は、志向が受動的

日本の子供は、情報や知識をただ受け取るのは得意ですが、それを元になにかを考えたり、自分の考えを生み出したりすることが苦手なようです。そのため、考えることが面倒なのでやり方だけを教えてもらいたいという生徒が多いそう。
テストは、教えられた知識をただ解答するだけで、点数がもらえるというシステムになってしまっていることからも、その現実が伺えるでしょう。日本の教育は詰め込み教育と言われますが、生徒自ら考えて発する力が劣っていることが問題となっています。

勉強のやり方、方向性が社会競争に対応出来る力を求める方向になく、それにあまり疑問を感じることなく、そのままの教育を今も変わらず継承してしまっていること、すなわち、いまだに古い教育が主流であるという点が一番の問題点であると思われる。

加えて、現在の日本では「学校の先生になりたい!!」と願う人が少なくなり、理想の職業の順位ではかなり低いところにランキングされるという悲しい現実。先の資料にも書かれていたように、今の日本では優秀な人は官僚、医師、弁護士、実業家などが成績優秀者があげる理想の職業であり、そこに教師が入ってくることはない。

もちろん、日本がそうなってしまったのには数々の原因が考えられるが、今回はその内容は触れず、そういった現状であるということだけに話を止めておきたい。

フィンランドを中心に北欧では教師が人気の職業のトップランキングであることもそうですが、自分が関わりの深いタイでも、SAWANでお正月に書き初めをしたり、夢マップを書いている中で高校生の夢(なりたい職業)で一番多いのは“先生”であり、「先生になりたい!!」と夢を語る子どもたちの目が生き生きしていたことを印象深く覚えている。

そういった一つひとつの要素が、今の日本の教育の現状を生み出している要因であることは間違いない。日本と比べて、非常にかけ離れた学習状況(時間数・日数・宿題の有無・塾の活用法…など)の国の方がより高い教育水準を維持しているということに違和感と危機感を感じずにはいられない。

いくら同じことをしたとしても決して同じ結果が得られるわけではない。そこには、それぞれの国が持つ歴史、文化、風習、国民性、法律など様々な要素が根底をなしている人々の生きている社会の違いがあるからだ。

だからこそ、教育先進国に学び、日本に合わせた形を模索すること、そして日本がもっと高い水準を維持していた頃と今を比べて考えることなどから、これからの日本がとるべき教育の方向性を見出していくしかない。

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