ボトムアップ

これからご紹介させていただくのは、昨日付けの毎日新聞の配信ニュースです。
こちらを読んでみてください。

東日本大震災は若者の仕事選びにも影響を与えている。
東京都世田谷区の安原健朗(たけろう)さん(24)。東大大学院在学中に国家公務員1種(キャリア官
僚)の採用試験に合格しながら、震災ボランティアがきっかけとなり、今春、NPOの職員になった。「これからは市民の力が時代を動かす」。そう信じてい
る。【竹内良和】




安原さんは、被災地に延べ約1万人の学生ボランティアを送った国内最大級の支援団体「ユースフォー3・11」の創設メンバーの一人。
4月からは教育関連
のNPO「ティーチフォージャパン」(東京)で生活保護世帯の多い学校にボランティアの学生教師らを派遣する活動に携わる。




大学院1年で難関の国家公務員1種試験に合格。

教育格差の問題に関心があり、中央官僚として「トップダウンで国の教育を変えよう」と考えていた。



あの日、東京・渋谷にいた。交通機関はマヒし、学生仲間3人とハンバーガーショップで時間を潰した。

店には携帯電話を手にした同世代の若者がひしめき、
安原さんたちもカードゲームを始めようとしていた。仲間の一人がつぶやいた。「ここで何もできなかったら、俺たちもかっこ悪くないか」。
みんな黙って店を
出た。




その夜、支援団体をつくった。

やる気はあっても手段のない学生と、人手を求めているボランティア団体を結び付けようと考えた。
ツイッターでボランティア希望の学生を募る一方、被災地入りする団体に電話を入れ、学生を紹介する代わりに現地での宿泊施設や交通手段を提供してくれるよう頼んだ。



活動は予想外の広がりをみせた。最初の1週間で700人のボランティア登録が殺到し、国の支援の手がまだ届かない被災地にも入っていった。

安原さんは学生の研修やボランティア団体との調整で都内を駆けずり回った。
自宅の一角を事務所として無償提供してくれる人もいた。ボランティアの世界で生きる人は魅力
的だった。




6月、教育実習を機に活動を退いた時、ふと気づいた。「ボトムアップでも社会は変えられる。この世界の人たちとつながっている方が幸せそうだ」。省庁の面接には行かなかった。




NPOでは、ボランティアの派遣先を探して教育委員会などを回っている。

熱心に説明しても、年配の担当職員から、からかい半分で断られることも多い。でも4月上旬、母校のキャンパスで開いたイベントは、若い学生で会場が満員になった。



「自分の選択に後悔はないですよ。」そうほほ笑んだ。

                          (4月19日付毎日新聞配信分より)

東日本大震災後、こういった漢字のニュースはよく聞いたり、目にしたりするが、このニュースは特にうれしかったというか勇気づけられた。

「自分たちがやっている活動で子どもたちの力になり、日本の教育環境を少しでもいいものに変えたい。」

そんな想いをずっと持ち、自分の信じる道を歩いている。

でもその半面、それが簡単じゃないことを痛感し、「変えることができるのは、やっぱり現場ではなく行政なのか?」という考えが頭をよぎる。

それでもやっぱりこの道を歩く。
自分にはこういうやり方しかできないから…。

いろんな理由で困っている子どもたちはたくさんいる。
生まれた環境、障害、教育改革、教育格差、学校教育のルール…etc。

子どもたち自身が生みだしたわけではない、そんな多くの問題の狭間で、一番苦しんでいるのは子どもたちだ。

自分が関わることができ、その成長のお手伝いをすることができる子どもたちの数なんて、その中の本当に限られた子どもたちにすぎない。

そんなほんの少しの子どもたちのためにしかなれないことなのかもしれないけど、その草の根運動を続けることで喜んでくれる子どもたちがいることを喜びに、その先にかすかな光を届けることができるかもしれないことを希望に変えて、これからもがんばり続けたいと思う。

今日紹介させていただいてニュースの人たちから比べるとたいしたことないこと(比べること自体が失礼な話だけど…)ですが、ニュースを読みながら思ったことをつらつらと書かせてもらいました。

-教育について

© 2024 NPO Selfish(セルフィッシュ)