またこの時期がやって来ました。
小学2年生にとって、算数の一つの鬼門ともいうべき、かけ算九九のお勉強。ここまで、算数の勉強としてたし算、ひき算を勉強し、基本的な考え方は、その応用というか、要は考え方や計算が楽になるための学習内容であるはずのかけ算であり、その基本となるかけ算九九なのですが、ここを境に、一気に算数が苦手、嫌いになる子が毎年出てきます。
その大きな原因は『きちんと覚えられない』こと。たいていの子は、“ほとんど”マスターできるのですが、一部覚え間違いをしてしまうことで、それがテスト等で指摘されたり、次の学びの間違いにつながったり…。それ以前に、そもそもこのかけ算九九を覚えるという過程が、覚えることを強要されているような感じで、覚えている途中で覚えること(マスターすること)に嫌気が差してしまうことも多いです。
そういった状況を避けるためにはどうしたらいいのか?
その一つの方法として提案するのは『音読』という方法です。
と言っても、これは全然特別な方法などではなく、昔から覚えるときにみんなやっているはずのことなんですが、どうしてもこの過程を端折り気味で、かけ算九九として覚えることを優先してしまうがゆえに、その期間が短い、もしくはやっていないことで覚え切ることにつながっていないんだと思います。
『音読』とはその言葉の通り、かけ算九九を声に出して、一つの文章として読むことです。小学2年生ぐらいであれば、毎日の宿題に国語の教科書の『音読』(本読みと表現する場合あり)があると思いますが、それと同じように、ふりがなつきのかけ算九九表を毎日何回かずつ声に出して読むのです。
(※画像はぷりんときっずの無料ダウンロードより引用させていただきました。)
その過程においては、覚えられているかどうかの確認は一切せず、ただ毎日声に出して読むだけ。最初の段階はこれで十分です。
「ほんとにそれで覚えられるんですか?」って疑問に思うかもしれませんが、先にも書いたように、毎日の宿題として出されることの多い国語の『音読』を毎日きちんとやっている子たちは、知らず知らずのうちにその文章を覚えていて、スラスラと読めることはもちろん、場合によっては暗証してしまえていることは、お父さんやお母さんも体感していると思います。
この学習方法の中で求めているのはまさにそれ!!まずは、音として、文章として、しっかり頭の中に入れてしまうことから始めてしまうというだけのことであり、そこに時間をかけて、重点的に行なうということです。
あとは、それが完全にマスター出来てからでもいいし、覚え具合を見ながら、並行してかけ算の概念などを勉強していけば必要な力としてかけ算九九がマスターできます。焦って、最初から覚え切ることばかりに力を入れて、ちゃんと覚えきれていない頃から繰り返してテストや確認ばかりをしていて何度もダメだしされていたら子どもたちがかけ算九九が嫌いになってしまうことは当然の結果になってしまいます。テストや確認なんて、逆に本人が自信をもって覚えられたと思う頃になってから、少しずつ行なって「できた!!」っていう自己肯定感につながるための方法として利用するだけで十分なのです。
かけ算九九でつまずいて、できなかったり、間違えて覚えてしまったりしちゃうと、その先の勉強であるかけ算、そしてわり算の勉強にも大きな影響が出て、四則計算の習得の妨げになり、そうなってしまうとそこから先の算数の勉強はもちろん、中学校以降の数学の勉強にも大きな影響が出てしまうのは必至。だからこそ、入り口の今が一番大切です。
かけ算九九は、算数としてではなく、国語的な感覚で、まずは『音読』でしっかり繰り返し読んで覚えよう!!