家で子どもたちが宿題をしていて、じっと考え込んでいる様子を見たら、どんな対応をしますか?
もちろん、子どもたちには悩んだり、考え込んだりしている問題を自分の力で解けるようになってもらいたいから、「よく問題を読んで、考えてごらん。」って、声をかけたり、少しヒントを与えてさらに考えるように促したりすることが多いのではないでしょうか?
それ自体、ごく一般的な声のかけ方だし、決して間違った対応ではありません。ただ、そこに至る過程の違いで、その時点でその子の学びがどこにあるかで必要な声掛けや対応の仕方は変わってくる必要があります。
そもそも、その子がまだ、その問題に真剣に取り組む過程を経ていないのであれば、絶対的に必要な対応になりますが、本人的に目一杯がんばって取り組んだ後だと話はちょっと変わってきます。もうすでにその域まで達している子に「よく考えてみてごらん。」と言っても、すでによく考えているし、そこで行き詰っているので、逆に問題に対するやる気を失ったり、勉強そのものに嫌気がさしたりすることもあるでしょう。さらに言えば、そこから先で考えている時間は無駄な時間とも言えます。
もちろん、もうワンステップ進める子であれば、息詰まっているところから少しヒントを与えて考えさせることもありと言えばありですが、決してモチベーションが高くない状態であればいい結果に結び付くとは言い難いと思います。
だったら、逆転の発想で勉強させてみてはどうしょう?
子どもたちは答えに辿り着くために問題を解いていますが、その過程で行き詰っていますし、答えが出せないことにいら立ちを覚えています。なので、逆に答えを教えてあげるのです。
「えっ、問題が解けなくて困っている子どもに、その問題の答えを教えてしまうの?」
と思われるかもしれませんが、決して、ただ答えを教えてその問題を終わりにすればいいということではありません。答えを提示した後、今度は「じゃあ、何でその答えになるのかを考えてみよう!!」という設問に変えるのです。
問題(スタート)と答え(ゴール)がセットで目の前にある中で、スタートからゴールには辿り着けなかったけど、逆のルートなら何か見えてくるものがあるかもしれません。この考え方は学びを深める上でもとても大切なことだし、考え方のバリエーションが広がるので、とても有効な勉強の方法なのですが、『答えを教えること(子どもが自分で考えずに答えを知ること)は悪いこと』という考え方や『答えを出すことが勉強』という考え方があたり前として育ってきた保護者世代にとっては抵抗感の強い話だと思いますが、どちらかと言えば、今の教育の主流はこちらの考え方に近くなり、答えのない答え探しや、より多くのバリエーションを見つけられるような力が求められているのです。
もちろん、その子の性格もしっかり考慮して、答えを教えたら「ラッキー!!」って感じで答えを埋めて、さっさと勉強を終わりにしてしまう子には意味のないやり方になってしまうので、そういった子どもたちは、また別の方法でアプローチをする必要があるので、すべての子に通用するやり方というわけではないということを申し添えておきます。
とは言え、どの子にとっても決してやりたい事ではない勉強で少しでもがんばってもらったり、少しでも成果に結び付けたりするためにはいろんな方法を考えて学びを進めないといけない中での一つの方法としてお薦めします。
勉強における答えの位置付けは一つではありません。
行き詰ったときには、柔軟な逆転の発想での勉強方法も試してみてください☆