公設民営学校はどこまで可能?

【公設民営学校とは?】
自治体の資金や土地・建物を利用して民間が運営する学校。すでに岡山県や群馬県太田市で開校しているが、「公私協力方式」と呼ばれ、自治体が職員を派遣するなど自治体の介入の度合いが強い。大阪市の場合は、公立の図書館などで導入されている「指定管理者制度」に近く、委託先の民間の裁量が大きいスタイルを目指しているとされる。

文部科学省は、都道府県や市区町村が設置する公立学校の運営を民間に委託する「公設民営学校」を、自治体から提案があれば特例として認める方向で検討を始めたとの報道。メリットはやはり、“公”の発想だけでは行き届かない、より質の高い教育の場ができるということ。そしてデメリットは、それがまた教育格差をさらに広げる可能性があるということ。(もちろん、論を深めれば、より多くのメリット・デメリットがあげられるが…。)

この報道の中にも書かれていたが、目指す先が『民間のノウハウを活用し、海外の大学への入学資格取得や語学、理数系への特化など「特色ある教育」を実践する』という、教育の一面に特化した形のものになりがちであるということは、いつも思うことであるが、非常に残念で仕方ない。

何が言いたいのかと言うと、こう言った議論と発展の方向性は教育水準を上げる方向性の中でも一般的に勉強ができるといわれる子どもたち=‘教育強者’向けのものが大半で、勉強するにあたり何らかの問題を抱えている子どもたち=‘教育弱者’向けのものではないことがほとんどであるということ。(この言葉は必ずしも適切であるというものではなく、あくまでイメージとして使っています。)

ただ、報道によると、『運営委託先は学校法人など非営利法人を想定し、学習指導要領に準拠しつつ独自のカリキュラムでの学習を可能にする。』とあるので、解釈いかんによっては、多種多様な公設民営学校ができる可能性を秘めているということ。

すなわち、特別支援教育を前提とする公設民営学校も条件次第ではあり得るという解釈もできるよね?って話。

そう言った議論はなかなか行われないのはいつも不思議思うところであるが、制度化されて、解釈次第で可能なのであれば、こういった制度の法制化は願うところ。

特にグレーゾーンと呼ばれる、一般校ではなかなかその居場所が見つけにくく、なおかつ特別支援学校の対象とはなりにくい子どもたちに特化した学校が公立としてできれば、大きな一歩になると信じて疑わない。だからこそ、今後の議論としてはそこまで踏み込んだものを期待したいところだが無理なんだろうなぁ…。

結局、現行法も含めて、新しい制度が法制化された後、その文言をいろんな形で読み解き、解釈の幅を拡げながら、法に触れないギリギリのところでがんばるしか道はないのかもしれない。

そんなことを思いながら、この報道の記事を読んだ。

可能性があるというところに一縷の望みを託して…。

20140901001

-代表者ブログ, 教育について

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