一以貫之

「やわらかい心で」

一貫して変わらず道を進むこと。
楽な方楽な方へ、目移りしてそのたびに都合のいいようにポリシーを変え、浮気ばかりしていると、ものごとの本質はいつまでたってもつかめません。しかし、単にがんこに硬直して一本道を行けと言っているわけではないようです。
伝統工芸といわれるものは、何代も続いて技術とノウハウが受け継がれていきます。何百年ものあいだ、少しずつ修正を積み重ねて完成されてきたもの。思いつきの新しい方法を急に用いても勝てるものではありません。まさに一貫して道を進んできた賜物です。しかし、昔の絵柄のままでは、現代人には意味さえ不明で売れません。だから伝統工芸はいつでも時代を少し反映させながら継承されてきたはずです。
柔軟な心と謙虚な態度があってこそ、一つのことが貫けます。ゆずれること、ゆずれないことの選択は、やわらかい心で。

『一以貫之』=「いつもってこれをつらぬく」と読むのだそうです。
いい意味じゃなく、悪い意味で頑固な自分。
やわらかい心が持てないからぶつかることも多い。
それでも、昔に比べたら少しは柔らかくなったと思う。
自分では…。(苦笑)
一途に一つのことを貫き、邁進することはとても大変なこと。
だから、余程、強い心を持っていないと無理なんだと思っていた。
揺るがない心。
強靭な精神力。
そんなものがあって、初めて自分の大切なものを守り抜くことができ、未来へと繋いでいけるのだと思っていた。
でも、そうじゃなくて、大切なものはきちんと守りながら、そのときに必要なものを見極めながらそれを柔軟に受け入れていく。
自分の頑固さを前面に押し出すのではなく、芯の部分をしっかり保ちながらまわりに必要とされ、受け入れられるものへと形を変えていく。
“ゆずらず”に“ゆずる”こと。
“変わらず”に“変わる”こと。
そしてそのためのやわらかい心を持つこと。
それが自分を貫くために一番大切なこと。
そんなことを教えられたこの禅語。
簡単にできるとは思わないけど、自分にはできないと思ったらそこで終わり。
できると信じて、前に進もう!!

-代表者ブログ, 禅の教え

© 2024 NPO Selfish(セルフィッシュ)