今朝の報道関係の番組に東京電力の幹部社員が生出演して、東京電力が計画している値上げ案に関して話をしていた。
電気料金の値上げは平均10%。
決して低くない数字で、いろんなところでインタビューに答えている人たちも悲鳴に近い声を上げていた。
実際、一般家庭においても家計を圧迫する要素の一つであることは間違いないが、小売店などの商売をしているところにとってはかなりの痛手。
仮に、現在月額約20万円の電気代を払っているところでは、月に約2万円、年間にすると約24万円の負担増。
インタビューに答えていたお店の経営者の人も、「そんなお金があったら、従業員にボーナスの少しでも払ってあげたいのに…。」と顔を曇らせていた。
今回の値上げの話の中で、単なる負担増になる人たち以上に金銭的にも気持ち的にも納得がいかないのは、福島県の被災者の人たちだ。
ご自宅が避難地域に指定され、仕方なく東京などの今回の東京電力の値上げ管内に避難のために移り住んでいる人たちもこの値上げの対象者になっている。
その人たちも、数人がインタビューに答えていたが、「これ以上苦しめないで欲しい。」と切実な思いを訴えていた。
自分たちに直接関係のない原発の事故で避難を余儀なくされ、東京電力が再生を目指す上での今回の値上げの対象になって、そうでなくとも苦しい生活の中での負担増。
番組の司会者なども「被災者の方々で避難している人たちはその対象から外すべきではないのか?」と聞かれ、その答えが「被災された方への賠償問題を一番に考えています。ですから、そこのところをご理解いただいて、受け入れていただきたい。」というもの。
さらにそれを聞いた司会者側が、「世の中にはいろんなキャッシュバックなどの制度もある。被災者の方々の賠償を考えているというのなら、その人たちにはキャッシュバックなどの制度を利用して、負担にならないように考えるべきではないのか?」と質問を重ねた。
それに対する答えも最初の答えと一緒で「被災された方への賠償問題を一番に考えています。ですから、そこのところをご理解いただいて、受け入れていただきたい。」の一点張り。
でも、それってよく考えたらおかしいだろ!!
東京電力が被災した人たちへの賠償を支払うための金銭的余力を生み出すために、今回の値上げを断行するという。
そして、それは被災者であっても関係なく、一律に東京電力考えた形による値上げにより、強制的に徴収されるお金。
それによって被災者に賠償金が支払われるのだとしたら、被災者の方々で今回の値上げの対象になっている方々は、自分の受け取る賠償金を自分で支払っているってことになるじゃないか。
被災者の人たちをバカにするにもほどがあるこんな発言で、生放送で平気でできるような人間が幹部をしているような会社じゃ、先が思いやられる。
値上げ案やそれに対する対応策などもいろいろ話をしていたが、すべて東京電力側に立った都合のいい話ばかり。
震災に端を発しているとはいえ、事故を起こしておいて、その尻拭いを被災者や何の罪もない利用者にさせようというのはいかがなものか?
百歩譲って、ある程度は仕方のない部分は仕方のないものだとしても、被災者の方々には最大の配慮をした上での再生案の検討及びマスコミ発表を行うことが、企業員としての最低限のモラルではないのか?
朝からあまりいい気がしない報道を見てしまった…。