デジタル教科書は諸刃の剣

少し前からニュース等で取り沙汰されている『デジタル教科書』の話題はちょくちょく見ていたのですが、今朝の報道番組では、その導入費用に消費税の一部を充当することが検討されているという情報が流れていました。

国が税金の中から子どもたちの教育のためにお金を使ってくれるということは大賛成です。そして、子どもたちの学習場面において、教材がデジタル化されるということも、その利便性や学習効率の良さもわかっているので基本的には賛成です。でも、気になる部分もあります。

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例えば、今朝の報道番組の中では、立体がワンタッチで見取り図から展開図になっていく様子が出ていました。二次元の世界(紙の教科書)では表現できにくく、それだけでは想像することが難しい子にとっては、その様子が目で見られるというのはとてもいいことだと思います。

ただ、それが「勉強をした」のではなく「勉強をしたつもり」になるようでは、まったくやらないよりはいいのかもしれないけど、理解から定着に結びつかなければ結果は同じこと。

どういうことかというと、バーチャルな体験は所詮バーチャルに過ぎず、実体験には及ばないということ。その変化をデジタル教科書を通して目で見ただけで勉強した気になって、いざ自分で問題を解こうと思ったときには頭の中にはイメージが構築できないようではそれは決して学びにつながっていない。本当に身に付けるべきは最終的にその問題が解ける力であり、そのために教育現場では何をすべきかを考える必要があるということ。

この題材、自分たちが小学生の頃には、厚紙の方眼紙を使っていろんな形の立方体や直方体の展開図を書き、切り取り、組み立てて実際の立体を作り上げながら勉強する授業を受けた。自分の目と手と頭を使い、実際に触れながらそのものの成り立ちをバーチャルではなく実体験をもって学ぶ。そうすることで、自分の目で見たイメージを自分の頭の中で構築できるようになり、問題を解くときもきちんとイメージして解けるようになる。経験に勝る学びはなし!!

これは一例に過ぎないが、どんな教科・教材であっても、こういったことは考えられる。

『デジタル教科書』には、学習場面において神の教科書よりも効率の良い学びができるというメリットとともに、実体験が伴わないため本当の意味での学びや定着には結び付きにくいというデメリットもある“諸刃の剣”であるということをよく理解しておく必要性がある。でも、その理解の上に成り立って実体験とうまく併用できるような学習場面の設定ができるなら、すごく強力な学習ツールになることは間違いない。

便利さがそのまま学習場面づくりの安易さにつながって、結果的に学力の低下につながってしまうようなことだけにはならないことを願う。

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