人はみんな心の中に『自分』という大切なものを持っている。
心は、ときにはあたたかさに喜びを感じ、ときには寒さに震えるときもある。
その心から、大事なものをたくさん受け取りながら、『自分』は成長する。
でもね…。
『自分』という存在はとても弱い弱いものだから、“心の扉”の中に隠れてしまい、人に触れられないようにすることも…。
必死で自分自身を守るために……。
勝手に扉を開けたり、鍵をこじ開けて、ドカドカと土足で心の中に踏み込んだりしちゃいけないよ。
もし、まだ“心の扉”が少しでも開いていれば、そこからそっと手を差し伸べて。
でも無理に触れちゃダメ。むこうから触れてくれるのを待つしかないよ。
もし、もう“心の扉”に鍵をかけてしまってたら、無理にこじ開けようとしちゃダメ。軽く扉をノックして、扉にそっと寄りかかり、じっと見守るしかないよ。
いつかこちらの心が、相手の心に届くことを信じて…。
“心の扉”は、他人が開くものじゃなくて、自分で開いてそこから出てこなくちゃいけないから…。
人はみんな、たくさんの悩みを抱え、いつも何かと闘いながら、なんとかして自分自身を守り、そこに『自分』という存在を見い出そうとしている。
大人も子供も…。
そんな『自分』を守るための最後の砦。
それが“心の扉”。
心の扉