お父さん、お母さん、勇気を持って‼

世間では本日発売になったiPhone6の話題があちこちで飛び交っている。個人的にはまったく興味がないわけではないが、お祭り騒ぎに乗る気もないので、一段落して落ち着いたらゆっくり考えてみようかな?程度。

そんなタイムリーな話がマスコミを騒がせている裏で、ネットの世界ではこんな話もあちこちで話題になっているのをご存知ですか?

子どもを持つ、お父さん、お母さんには是非読んでいただき、ご一考いただきたい。その上で、勇気を持って子どもたちにとって最善と思う対応をしてもらいたい。

世間をお祭り騒ぎにしているApple社の創始者の一人で、今は亡き、あのスティーブ・ジョブズ氏。世界という大きなフィールドにあれだけの革新的な最先端の数々を送り込んだ彼が、子育てというフィールドにおいて大切にしていたものとは…。

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Steve Jobs Didn’t Let His Kids Use iPhones Or iPads: Here’s Why

スティーブ・ジョブズといえば、最先端技術の代名詞とも言える人ですが、子育てにおいては、子どもたちがデジタル機器に触れる時間を厳しく制限していたそうです。9月10日付のNew York Timesの記事の翌日に書かれたコラムが話題になっていたので翻訳をしました。原文を読みたい方はこちらまで。

(前略)
2011年に亡くなったジョブスは、テクノロジーに関して本能的な才能があったが、親としてはローテクを貫き、子どもたちの電子機器の利用を厳しく制限すべきだと固く信じていた。
「私達は、子どもたちのテクノロジー機器の利用を制限しています。」と、ジョブスは2010年、我が子のハイテク機器利用時間が増えることを心配して語った。

現代の親なら百も承知だろうが、iPhoneやiPadは子ども達にとって非常に魅力的だ。これら手のひらサイズの機器は最先端のおもちゃである。長い休暇、長いドライブの間などの親が忙しい時に、親の代わりとなって、子どもたちを喜ばせ、気晴らしをさせ、静かにさせてくれる。

しかし、こうした超便利な助っ人に感謝する前に、それらの機器が子どもたちに及ぼす潜在的な害について心配すべきなのではないか?

スティーブ・ジョブズはそう考えていた。今週発表されたニューヨーク・タイムズの記事で、ジャーナリストのニックビルトンは、ジョブスに彼の子どもがどのくらいiPadに夢中なのかを聞いた時の返事に驚いたことを回顧する。「子どもたちは、(iPadを)まだ使ったことがないのです。私は子どもたちのハイテク利用を制限しています。」

「私はあっけにとられ、開いた口がふさがりませんでした。ジョブスの家ともなればハイテクオタクの天国のような場所を想像していたからです。壁は巨大なタッチパネルで、食卓にはiPadが埋め込まれていて、お客さんにはチョコレートのようにiPodがプレゼントされるような。『いいや、それとは程遠いね』とジョブスは答えたのです。」

子どもがタッチスクリーンの機器で遊ぶことに関して大きな懸念を抱いているハイテク教祖はジョブスだけではない。

「ワイアード(Wired)」の元編集長、クリス・アンダーソンも、子どもたちが家庭にあるデジタル機器を使用する時間を親は厳しく制限すべきだと確信している。

「子どもたちは私たち夫婦が厳しすぎると文句を言います。友達の家にはこんなに厳しいルールはないってね。でも、それは我々は誰よりも技術の危険性を見てきているからです。自分自身でも感じています。子どもたちの身にそのようなことは起こってもらいたくないのです。 」

UCLA大学の研究者たちが最近発表した研究によると、数日間、電子機器利用を禁止しただけで、子どもたちの社交スキルがまたたくまに向上したそうだ。

このことは大いに考える材料を与えてくる。なぜなら最近のリサーチで平均的なアメリカ人の子どもは1日に7時間半以上スマホや他のスクリーン(テレビ、パソコン、ゲームなど)を見ていると言われているからである。

ジョブスは間違いなくハイテクの天才であった。しかし彼は深夜までスクリーンを見つめてアングリーバードで遊んだり、Facebookで近況を更新し続けたりはしてこなかった。

「スティーブ・ジョブス」の著者、ウォルターアイザックソンは、このアップル共同設立者の家で多くの時間を過ごしたが、そこで見たのは、スクリーンタイム(画面を見つめる時間)よりも、フェイス・トゥ・フェイス(面と向かった)の家族の会話を優先するジョブスの姿だった。

「毎晩、スティーブは決まって、キッチンの長いテーブルで夕食をとり、本や歴史や様々なトピックについて話し合うのです。誰もiPadやコンピューターを使いません。子どもたちはデジタル機器中毒になっているようには全く見えませんでした。」
だから、アップルやサムソンや他のハイテク企業が、最新の小型ハイテク機器がなければ人生物足りないと感じさせるような宣伝を暗にしてきたとしても、そうした機器の創始者が全く違う考えだった事を忘れないで欲しい。

(※『中高生のためのシンガポール留学』サイトより引用させていただきました。)

子どもたちの生活の中でコミュニケーションツールの一つとして確固たる地位を確立してしまっているデジタル機器やゲーム機器。大半の子どもたちが持っているこういった類いの物を持っていないことが、『仲間外れ』『いじめ』といった原因になることを恐れ「みんな持ってるから。」という一言を決め台詞のように使い、与えることで大人の責任を果たしているとか安心感を得ていると思っているのは単なる勘違いに過ぎず、そうやって子どもたちの生活の中に溶け込ましている大人こそが、そこから結果的に発生している多くの問題の責任者であることは自明の理。

ただ、ここまで浸透してしまった物、すでに与えてしまった物を完全に取り除いてしまうことは不可能に近いことだろう。だったら、それを正しく使えるように、本当の意味で子どもを成長させるためのツールにきちんと転嫁し、活かすことが与えてしまった大人が取らなければいけない責任だと思う。

子どもを育てるために本当に必要なこと、必要な物は何なのか?

この話を読んだとき思った。ある種の教えとも言うべき、こういった考え方こそが、スティーブ・ジョブズが我々にもたらしてくれた最高の恩恵なのかもしれないと…。

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