新たな一歩が自分の世界を変える!!

2年前の夏、SAWANで出会った福岡の当時高校2年生だった奈々ちゃん。
今年の春、大学生になった彼女は、自分の夢を叶えるために勉強をがんばりながらボランティアサークルでの活動やICEPという日本人学生と日本への留学生への交流の場を提供し、互いの視野の拡大、語学力、コミュニケーション能力、異文化理解を推進する活動をしている団体の代表としてがんばっている。

そんな彼女がこの夏にボランティアでカンボジアを訪れました。そこで目にした現実と彼女が感じたことは…。

本人の許可を得て、以下に奈々ちゃんのつづった思いの文を原文のまますべて掲載させていただきます。ちょっと長い文になりますが、そこにたくさん詰まった彼女の思いに触れてみてください。

サークルのスタディツアーでカンボジアへ行って来ました。とても中身の濃い5日間で、いろんなことを学びました。
いろんな経験をサークルの仲間が書いてるので、私は、私が目の当たりにした現実を1つ書きたいと思います。

2日目に私たちが田舎の小学校へ訪問したときに出会った女の子のことです。最初は意思疎通が図れず、歯がゆい思いをしましたが、時間がたつにつれ、言葉がなくてもジェスチャーでコミュニケーションをとったり、縄跳びで遊んだり、仲良くなることができました。

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アイスを売ってるおじさんがいて、彼女がアイスを食べたいというジェスチャーをしたので、2人でアイスを食べました。食べてるうちに手がベタベタになったので、彼女は私を学校の近くの池に連れて行きました。そこで手を洗って、私にも洗うようにジェスチャーで伝えてきたので、私も手を洗いました。その池は茶色で濁っていて、油が浮いていたり、虫の死骸が浮いていたり、絶対に衛生的にいいものではありません(正直、私はそこで手を洗うのも嫌でした)。

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その後、彼女はなんの躊躇もせずに、その水を飲みました。

私は、もう、なんていっていいかわからないけど、驚きのあまり止まってしまいました。

どうみても飲める水じゃない。
しばらく動けませんでした。
理解するのに時間がかかりました。

彼女は、そんな私を不思議そうに見ていました。彼女にはこれが普通。彼女だけじゃなくて、他の子供達も。遊んでる時にみていると、みんなちょこちょこその池のほうへ歩いていくのが見えました。きっと、喉が乾いたらあの濁った水を飲んでるんだと思います。

本当に、かなりのショックを受けました。言葉にできない程です。こんな私の薄っぺらい日記みたいな文章じゃ伝わらないです。

頭では、カンボジアでは綺麗な水が足りなくて、泥水を飲む子供達がたくさんいる、ということは分かってました。テレビでも見たことありました。だけど、いざ目の前にすると、想像以上のショックでした。

私は我に返って、どうすればいいかわからなかったけど、とりあえず彼女の手を除菌シートで拭いて、私たちが運んだ綺麗な水のところへ連れて行きました。

除菌シートで拭いてあげてるときにみた彼女の手は忘れられません。傷がたくさんあって(その傷は消毒とかもしてないんだと思います)、見たことない傷跡になっていました。

この日は、私たちが持って行った水があったから、綺麗な水を飲めただけ。私たちが除菌シートを持っていたから手を拭けただけ。
普段はあの濁った水で済ましてるんだと考えると、本当に恐ろしいです。

私たちが「本当に」できることとは何なのか?改めて考えさせられる旅となりました。

そんななかで、子供達の笑顔は、最高でした。
子供達の笑顔を守りたい。
どうやったら守れるか、
どういう守り方をすればいいのか。

彼女たちの為に、なにかできることをしたいと強く思いました。これから、難しい問題ですが、少しずつでも行動したいと考えています。
書きたいことはまだまだありますが、終わりそうもないのでもうやめます。読みにくい文章ですみません。どうにか記録に残したくて…。
このように考えるチャンス、知るチャンスが大学1年の時にあったことに感謝します。今回の経験は私に新しい価値観を与えてくれた意味のあるものになりました。

CMCの日本の事務所の方々、現地スタッフの方々、⚪︎⚪︎さん、⚪︎⚪︎さん、ありがとうございました。
そして、Think&Actの⚪︎⚪︎⚪︎さんをはじめとする先輩方、18期のみんな、準備の時から、現地でも意見を共有したり色んな話をしたり、衝撃を受けながらも楽しい時間も過ごせました。
お世話になりました、ありがとうございました。

カンボジア、また行きたいと思います!!!
(※一部、個人名の部分は伏せさせていただきました。)

今回のカンボジアの旅で現実に直面したことで奈々ちゃんの中に芽生えた複雑な思いと新たな目標。それがこれからの彼女の人生の中でどういう方向に舵を切り、どういう形の答えを見つけられるのかは彼女自身を含めてまだ誰にもわかりません。

ただ一つハッキリしていることは、彼女が自分の足で一歩を踏み出し、新しい環境に飛び込んだことで、彼女自身の世界がまた大きく拓かれ、彼女が今以上に一回りも二回りも大きく成長できるチャンスを手に入れたということ。

今のこの便利な世の中、日本に居ながらにしてパソコンの前に座れば世界中のいろんな情報を見ることができます。それも、過去のデータなどではなく、今この瞬間に起こっているタイムリーな内容まで…。

でもそこには血が通っていません。

生きている人間と人間の触れ合いはありません。

知識だけではなく、思い切って一歩足を踏み出し、自分がそこに身を置く中で、見て、聞いて、体全体で感じたことこそが真実であり、自分の成長の血となり肉となります。それこそが、自分自身を成長させ、高めてくれる大事な要素であり、人生を充実したものへと変えるための大きなチャンスです。

今回の奈々ちゃんの体験と思いをこうしてお伝えすることで、一人でも多くの人に何かを考えるきっかけや新たな一歩を踏み出す勇気の手助けになればと思い、ご紹介させていただきました。

さぁ、新たな一歩を踏み出してみよう!!

-代表者ブログ, SAWAN, ひとり言

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