ここ数年、教育現場における教員の休職に関する話題や教員不足、そして教育現場がブラックな職場であるといったニュースをよく耳にする。そして、それらのニュースが教育現場の問題を浮き彫りにすると同時に、その影響で、学生の教員志望離れに拍車をかけている。
あるニュースによると、全国的に教員採用試験の倍率が低下し、自治体によっては1.2倍といった数値のところもあるらしく、日本の教育現場そのものが危機的な状況になりつつあり、教育現場には暗い影を落としていると言わざるを得ない。
かく言う私自身、教職を目指して大学の教育学部に進学して教員免許を取得はしたものの、結局、学校教育という教育現場には進まず、そこからは一線を画した状態で教育に携わっているので、あまり偉そうなことを言えた立場ではないが…。苦笑
この話は、単に教員採用試験の倍率が低くなっているという問題だけではなく、教員採用試験を受ける人たちの教職に対する思いの部分も大きく影響し、相対的に教職に就く人たちの意気込みの違いが教育そのものに心配の影を落としているということへとつながる。
それは、小さい頃から先生になるのが夢で、大学入学時から揺るぎない思いで先生を目指し、教育に憧れを抱いていた人たちほど、教職の道から離脱しているという現実がそこにあるからだ。
その結果、そうでなくても競争倍率が低くなり、その合格ラインが教職としての質ではなく、現場にとって必要数を埋めることが基準になってきている上に、憧れを抱き、熱意をもっている人が離脱していき、代わりになんとなく思いつきや公務員だからといった理由、または数ある就職先の中において消去法で教員採用試験を受けたといった人たちが合格して教育現場に配属されることになる。
ニュースの中にはこんな風に書かれていた。
「先生になりたい」から「先生になれない」へ
この「先生になれない」は、教員採用試験に合格できずに“なれない=合格できない”という意味ではなく、今の教育現場の様子を見ていると“なれない=仕事として選ぶことができない”という意味で、教職を諦めているというのだ。
この現実はどう受け止め、どう対応していくべきか?
子どもたちに本当に大切なものを送り届けるべき教育をどのように守っていけばいいのか?
今まさに大きな転換期を迎えている教育現場。
明るい未来へつながることを切に願うばかりである。