パソコンやタブレットなど、便利な道具の発達が子どもたちの学習を大きく変えた。それにより、学びの場面の中やその結果において、子どもたちにとって非常にプラスになることがたくさんあると同時にマイナスになっていることもあることにちゃんと気付いていますか?
その最たるものは、本来なら子どもたち自身が自分の頭で考えなければいけない大切な部分を、便利な道具が代わりにやってしまってくれていること。その結果、子どもたちの学びの幅は単に狭くなるだけでなく、広がる可能性をも低くしてしまっている。
便利な道具を使うことで、どうしても学びが受動的になってしまいがちになる。便利な道具に勉強をさせられているようなものであり、それは勉強の方法としては単に知識を丸暗記しているだけようなもの。簡単に言えば、ゴールのある道の入り口までちゃんと連れて行ってもらって、そこからゴールに向けて歩いているだけ。学びを深め、そこからの広がりを持たせる力を身に付けられるような学びをするためには、能動的な学び、すなわち入り口を見つけるための学びが不可欠なのだ。
もちろん、すべての便利な道具がそうであるというわけではないし、そもそも便利な道具を使って勉強すること自体がよろしくないと言っているわけではない。非常によく考えられているソフトやアプリを使用することで、便利な道具を使いながら能動的な学びをすることも十分に可能なのだ。だから、実際に指導する中で、便利な道具を使用することを進めることは多々あるし、自分自身も学びの中でかなり活用している。というか、頼っている。
でも、子どもたちの場合、それに頼りっきりで、勉強をやったと錯覚させられてしまっていることが多いので、その点を心配しているのだ。
道具はあくまで道具であり、使うべき物なのに、それに使われてしまっていては人間の成長はどこかに置き去りになってしまうので、上手に使うことが大切であるということ。
子どもたち自身がそのことに気付くことは正直難しいと思うので、我々大人がきちんと理解し、必要に応じて便利な道具を意味のあるものとして子どもたちに提供したり、時にはそれ以外の方法を提示したりすることで、子どもたちに身に付けて欲しい力を伸ばせるようにしないといけないですね☆