学力における“国語の力”が重要なことはこれまでに何度も触れてきたことですが、今回はその中でも重要とされる2つの力について、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
今回、ポイントとしてあげる力は『漢字力』と『語彙力』。『漢字力』については本ブログでも何度も触れていますが、今回は特に『漢字力』と絡めて『語彙力』の重要性について。この2つの力が弱いと、国語としての教科が苦手になるのはもちろん、他の教科においても、算数(数学)の文章題だったり、理科や社会の論説的な問題が解答できない以前に問題の意味が理解できなかったり、さらに英語においては和訳がおもしろい日本語になったりといった傾向がよく見受けられ、そのままテストの結果(成績)に直結しているのが現状です。
今の子どもたちは、まず『漢字力』が弱い。書きはもちろん、読みも苦手で、なかなかどうしておもしろい読み書きを見せてくれます。そこが弱いと必然的に『語彙力』も伸びません。だって、『語彙力』って簡単に言えば言葉をたくさん知っているってことだけど、読めない言葉を覚えられるわけもないですからね。
原因として考えられることは…
そもそも、視覚的な情報の媒体が増えたことで、説明をする際に言葉を駆使して相手に伝える必要性が少なくなり、子どもたちにとって情報を受容するのも発信するのも視覚情報が中心で、言葉を遣う機会そのものが少なくなってきていることも大きな原因であり、これもよく言われていることだが、根本的に読書量そのものが少なくなってきていることも大きな原因だと考えられます。
先日も小学5年生の算数の文章題で「たて〇cm、横△cmの紙をすきまなくしきつめて正方形を作り…。」という問題を読んで悩んでいたので、「すきまなくしきつめてとはどうすること?」と数枚の紙を与えて聞いてみたら、「こう並べる。」と言って紙を重ね始めました。
これは公倍数の問題で、その子は公倍数の求め方自体はきちんとわかっていてできるので、結局、その問題の意味が解りさえすれば解けるんだけど、そこの意味が解らないからその問題自体が解けない。すなわち、これもいつも言っている通り、算数(数学)の問題ではあるけど、実際に解けない原因は算数(数学)の力ではなく、国語の力、今日のポイントである『語彙力』が問題を解けない原因なのです。
『漢字力』となると、身に付けるためには勉強するというイメージが強いですが、『語彙力』となると、身に付けるためには勉強するというよりは普段の生活の中でどれだけたくさんの言葉に触れる機会を作るかによって変わること。その一つは読書だと思いますが、それに限らず、普段からしっかりと言葉のシャワーを浴びせる環境を作ることで変わると思います。
子どもの学力を伸ばしたいなら『漢字力』と『語彙力』をしっかり伸ばしていきましょう!!