「貧富の差による学力差」と聞くと、戦前戦後の日本や途上国などを中心に“生活>勉強”という切迫した事情の中で起こっていた問題のイメージがすごく強いですが、現在、この日本でも一つの社会問題として、また新たにクローズアップされていることはご存知の方も多いかと思います。
そんな問題に関する一つの調査結果が、11月20日配信分の読売新聞に掲載されている。
(※読売新聞記事より引用。)
データは大阪府箕面市が、2014年~2016年度に調査したデータを日本財団が分析したもので、対象者は小・中学生で国語や算数・数学などの学力テストにおける平均偏差値がベースになっている。
その結果、経済的に困窮している世帯とそうでない世帯の間で子どもたちの学力に格差が小学4年生頃に広がる傾向にあるというデータが出ている。
国語と算数・数学では同様の傾向がデータとして出てるが、特に国語での差が顕著であるという。個人的には、具体的なデータとしてのポイント差も気になるところではあるが、それ以上に、国語という教科において顕著な差が出ていることがやっぱり気になる。
例えば、経済的に困窮していることで単純に塾などの学校外の学習機関等への費用面の問題から学習時間や学習レベルが得られないことによる学力の低下もしくは上昇度の低さといったことだけではなく、大人と話をする時間(日常会話)などの時間数の少なさから、経験的に得られるであろう言葉の力や語彙量といったものの修得が低下しているといった側面も考えられないわけではないし、その力の低下は、国語という教科に限らず、学習全体の土台となる力であることを考えると、決して軽んじることはできない問題だからだ。
経済的に困窮していることで、いろんな形での学びの場が失われ、その結果、学力格差につながっているということならば、そこを支援する制度の確立や、根本的な学習環境の見直しが大きな問題であることを、我々大人たちは忘れてはならない。