国語の文章題の答えで自分の意見がうまく書けない子と会話において自分の意見がうまく言えない子。
この2点においては、おおよそ、同じ力として捉えられることが多いですが、共通の課題となる部分と異なる課題の部分があるため、単純に同様の問題として捉えることはできません。
もちろん、どちらもできるようにできるようになることが理想的ですが、子どもたち個々の力に得手不得手はあるので一方ができても一方が苦手なままという子たちも少なくありません。
そんな中で、今回は自分の意見がうまく言えない子に焦点を当てて、その原因や課題、そして課題克服に向けてのまわりのアプローチについて考えてみたいと思います。
主な原因や課題
「本当に意見が言えないの?」
ポイントは「言えるのか?言えないのか?」という点で考えすぎてるということ。そもそも、それ以前にきちんと言うべき意見が本人の中で確立されているか否かが大きな問題である。「言えない」のではなく、「言うべき意見がない」であるなら、あたり前の話であるが、必要なのは言えるようになるための練習ではなく、自分の意見が持てるようにするための学びや練習こそが課題になるのです。
『間違えている』もしくは『否定される』ことに対する警戒心
「自分の意見が『間違えている』のではないか?」「こんなことを言うと『否定される』のではないか?」という不安にかられると、大人でもなかなか自分の意見が言い難くなるでしょうし、子どもたちならなおのことだと思います。それまでの成長の中で、間違いを指摘されることが多かったり、せっかくがんばって自分の意見を言っても否定された経験がたくさんあったりすると、自分の意見というものに対して、どんどん自信がなくなり、自信が持てないことを自分の意見として言うということは非常に勇気がいるようになります。
この2つのポイントを踏まえて、日頃の生活の中や学習場面において学んだり、練習を行なっておくこと、そしてしっかりと自信を育てておくことが重要になります。
まわりがやっておくべき2つのアプローチ
1つ目は、普段の生活の中本人が興味や関心がもてるテーマで、でできるだけ多くの会話をする機会と、その会話の中で自分の意見や考えを必要とするような場面設定を盛り込むこと。
2つ目は、その中で本人が一生懸命考えて発した考えや意見をきちんとすくい上げ、決して否定はせず(言葉や文法の間違いに対する修正は行ないます。)、言えていることに対してしっかり賞賛を与えてあげること。
この2つのアプローチを日頃からしっかり行ないながら練習を重ねることで、自分の考えや意見を構築する力が養われると同時に自分の考えや意見を言うことに対して自信が持てるようになります。
その中でやってはいけないことは、会話による質問ではなく、YesやNo、もしくは曖昧な返事で答えられるような質問をしてしまうことと、逆にできる限りやって欲しいことは、子どもの意見を肯定しながら、その意見の別の表現方法(表現方法が間違っている場合は正しい表現方法)や他の意見を提示し、本人の中に考え方や意見、言葉のバリエーションをどんどん増やしてあげることです。
まわりのアプローチの仕方次第で、子どもの国語力や意見を言える力を伸ばすことができます。
何事も、経験と慣れ、そしてそこから生まれる自信が大切ってことですね☆