驚くような、それでいて、現代社会ではあたり前のように感じられるデータの情報を見て、改めていろいろ考えさせられた。
まず『子どもの貧困率』という、あまり耳慣れない言葉。Wikipediaによると意味は以下のように記されている。
【子どもの貧困】
子どもの貧困(こどものひんこん)とは、その国の貧困線(等価可処分所得の中央値の50%)以下の所得で暮らす相対的貧困の17歳以下の子どもの存在及び生活状況を言う。OECDや厚生労働省調査の貧困率には等価可処分所得の中央値の50%が使用されている。この50%という数値は絶対的なものではなく、40%や60%を用いる場合もあり、EUは公式の貧困基準のひとつに中央値の60%を使用している。子どもの相対的貧困率については、発表主体、統計利用データ年次によって変動する。
今回、私が目にした情報は、この中のOECD(経済協力開発機構)におけるデータ。日本は、このOECD加盟国の中で10番目に高い貧困率であり、6人に1人が貧困状況にあるというのだ。
以下は本日付けの朝日新聞デジタルの記事より引用。
日本の子供(0~17歳)の6人に1人が貧困状況にあると聞いても「こんな豊かな世の中で?!」とにわかに信じられないかもしれない。日本財団ソーシャルイノベーション推進チームの花岡隼人氏が『週刊エコノミスト』(12月13日号)で、日本の「子供の貧困率」16.3%は「OECD(経済協力開発機構)加盟国では、34カ国中10番目に高い数値だ。一人親世帯に限ると50.8%となっており、加盟国の中で最も高くなっている」と報告する。
加盟国内で貧困率の高い方からベスト10に入る高さにまず驚き。そして、さらに条件を絞って一人親世帯限定で見るとトップの高さだと知ってさらに驚き。
貧困が学力に与える影響ははっきりしている。同誌に掲載されているグラフ(お茶の水女子大学「全国学力・学習状況調査」)の中学3年生の数学Bの成績を見ると、年収300万円の世帯と1000万円の世帯では、平均点で2倍近くも違う。この学力、学歴の差は「賃金の差となって表れる。つまり、貧困家庭で育った子供は、将来、貧困になる可能性が高い」(花岡氏)。親世代の貧困が子供世代の貧困を生む「貧困の連鎖」がこの日本でいま広がっているのだ。
今、少しずつ行政の動きもあって、教育を元としての「貧困の連鎖」を改善しようという方向で進み、子どもたちの学習支援の場なども整備されつつあるが、それも自治体によっての温度差がすごく大きい。先日法制化された『教育機会確保法』でもそうだが、法律により一元化はされたものの、元々の行政とフリースクールなどの支援体制がしっかり確立されている自治体とそうでない自治体とではスタート時点で大きな隔たりがある。そういった意味では、もっと明確な基準や指針が提示されたり、補助金などの具体的な支援策を示して欲しいと思う。
どこかで誰かが、こんな連鎖は止めなければいけない。
こんな不名誉なデータが一日も早く改善され、子どもたちが自分の夢を叶えることができる環境、そのための教育がきちんと受けられる国になりますように☆