担雪填井

「ムダなことはお嫌いですか」

無駄な話はしない。無駄なものは食べない。無駄な人とつきあわない。
あなたの周囲から無駄なことをなくしたら、まことに効率の良い人生になるでしょう。
出かけないから化粧をする必要がない、靴も洋服もバッグもいらない。歩かないから転ばない。怪我もしないからお金は貯まる一方。いいことづくめ。
しかし、なんだかつまらない。これまでの人生をふりかえって見てください。
あの無駄な長旅で妻に出会い、あの無駄だと思った仕事で仲間の優しさに触れ、病気という無駄の骨頂でやっと人間の弱さを知り、破産してなお笑顔で迎えてくれた母の愛に涙した。
井戸を雪で埋めようとするような無駄な仕事。無駄な努力。それは確かに手柄を求めた努力でなく、結果だけを狙った努力でもない。
この禅語は、そんな無駄な努力ができる心こそ大切だといいます。

『担雪填井』=「ゆきをになってせいをうずむ」と読むのだそうです。
基本的に“無駄”はキライです。
自分で意図的に無駄な努力ができるほど、心は成長してません。
でも、これまでの自分の人生を振り返ってみると、そのキライな“無駄”なことばかりしてきた人生だと思います。
でも、そんな“無駄”があったからこそ今の自分があると思ってるので、キライなはずの“無駄”が意外と心地良く感じるから不思議です。
人生の岐路に立っていて、自分の進路選択で悩んでいる子どもたちから、進路についての相談を受けます。
そんな話の中で子どもたちは、「自分は頭悪いから、どうせ合格しないのに、今からがんばったって“無駄”だから…。」とか、「どうせ勉強する気ないのに、進学したらお金が“無駄”だから…。」なんてことをよく口にします。
でも、本当に“無駄”かどうかはやってみたその先じゃないと、絶対答えは出ないですよね。
そしてその答えは、『“無駄”は決して“無駄”じゃない!!』と自信を持って言えます。
その”無駄”の積み重ねが、いずれ大切なモノとして自分に返ってくるから、そうなったらもう“無駄”じゃなくて『宝物』。
特に“無駄”なことを思いっきりしていいのは子どもたちの特権。
たくさんのことを経験して、どんどん成長してもらいたいと思ってます♪
そして自分は…。
“無駄”な努力ができる心を持てるようになりたいものです。

-代表者ブログ, 禅の教え

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