難しく考えすぎて…

子供たちに指導していて感じること。
どの教科においても当てはまることではあるが、特に数学においてはその傾向がすごく強い。
それは、学年が進み難しいことを学ぶにつれて、簡単なことができなくなったり、ミスしてしまうことが非常に多くなるということ。
小学校での算数と中学校の数学の大きな違いの中に、“負の数”と“文字式”がある。
中学校で最初に“負の数”を勉強して、その四則計算を学ぶが、ここでつまずく子が多い。
例えば、「-2+5」という問題。
もちろん、小学校ではこの形の計算問題は出てこない。
中学校で“負の数”を習ったから、初めてこの問題が出てきたのだと子供たちは思い、かなり悩んだ挙句に“負の数”を意識しすぎるあまり「-3」と答えてしまうケースがある。
この問題は項をひっくり返せば「5-3」という、小学校1年生のレベルの問題なんだけど…。(^_^;)
“文字式”でもそう。
縦がacm、横がbcmの長方形の周の長さは何cmですか?」なんて聞かれると、もうグチャグチャ。
abcm」とか「a2+b2(aの2乗+bの2乗)cm」みたいに、面積と混同したり、2倍と2乗を混同したような答えがあちこちから出てくる。
縦が3cm、横が5cmの長方形の周の長さは何cmですか?」という風に、具体的な数字(算数レベル)で聞かれると、何の問題もなくきちんと解けるんですけどね。
難しいことを習ったおかげ(!?)で難しく考えすぎて間違ってしまうという典型的なパターン。
数字に置き換えて、きちんと『言葉の式』を作って考えればなんてことない問題なんだけど、これがなかなかできない…。(T_T)
逆に、中学校の数学に入った段階で、きちんと学習の波に乗れた子は、仮に小学校時代に算数が苦手科目だった子でも数学を得意科目にできてしまう子もいるぐらい。
コツさえつかんでしまえば、同じパターンの問題が多いので、一種のパズルみたいなもんなんですけどね。
このブログでも『頭の体操』シリーズをやっていますが、物事の柔軟な考え方を養ったり、いろんな角度から物事を見て考えられるようになって欲しいと思うので、普段の授業の中でも時間に余裕があれば子供たちにもやってもらっています。
難しいと思い込んだり、難しいことを難しいまま考えるのではなく、自分のわかる状態までレベルを下げたり、自分自身の中で噛み砕くことが大切。
難しく考えすぎることが一番よくないこと。
そこのところを子供たちにわかってもらえるように、がんばって指導していきたいと思います。

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