おこづかい制度とおこづかい帳

子どもたちにしっかり身に付けてもらいたい力の一つがお金の使い方。ある意味、生きていく上で一生必要となる力であり、良くも悪くも人生に大きな影響を与える可能性があるだけにきちんとした感覚を早い時期から身に付けられるといいですよね?

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身近なところで言えば、買い物に行って、今の自分の所持金で買える物をきちんと選択して買うことができる。

欲しい物があるときに、目標に向けてお金を貯めることができる。

一定の期間、決まったお金の中できちんとやりくりできる。

どれもあたり前であり、一見簡単そうに見えることだけど、これが意外と難しい。大人といえども、できているようでできていない人も多いだろうし、それが子どもとなるとなおさらだ。みんな多かれ少なかれ、物心ついた頃から身の回りにはお金があり、ずっと使って生きてきているはずなのになかなか身に付いていない力の一つ。かく言う私も、偉そうなことが言えた立場ではないですが…。苦笑

では、どうすれば身に付くのか?

簡単に身に付く方法があるのならこちらが教えて欲しいぐらいだ。それで一つの授業を組むことができますからね。笑

でも、ある意味答えは簡単かも!?

そう、小さい頃から地道に繰り返して、その感覚を身に付ける。それに尽きるんじゃないかと思います。ただ、“地道”というところがミソで、だからこそ、簡単に身に付く方法はないんだと思っています。

そのためのいい方法は、やはりおこづかい制度とおこづかい帳の存在でしょう。会社や仕事には帳簿という物があり、家庭には家計簿という物がある。もちろん、扱う金額の大小はあるものの、基本はお金の出し入れの管理とそれに伴う見通しという点では同じこと。その感覚を経験的にきちんと身に付けておけばいろいろな場面で活かすことができるだろうし、お金絡みで困ることも減るはず。

欲しい物があるときに「お金ちょうだい!!」で買い物していると、子どもは自分が打ち出の小槌を持っている勘違いしてしまいます。ずっとそんな体験をさせておいて、場面によっては「ダメ、ガマンしなさい!!」では子どもは納得いかないもの。お店で駄々をこねることがあれば、時にはやってはいけない方法で手に入れようとしたりもするもの。

そんなことでは大変なので、小さいうちから長い時間かけて、一定のおこづかいをあげて、それをおこづかい帳できちんと管理することを体験的に覚えさせるようにしてみませんか?

段階を踏んで少しずつ…

小さいうちは、多額のお金の管理と長期に渡る管理の2点はなかなか難しいので、まずは少額を短期間(例えば、週に数百円程度)で管理するところから始め、年齢とともに、金額の増や期間の延長をしていくというごく単純なもの。それだけのことでも、やるとやらないとでは大きな差になると思います。

「小さいうちからそんなことをしなくても、ある程度大きくなってからでいいのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、『三つ子の魂百まで」ということわざにもあるように、大きくなる前に付いてしまった悪い癖は簡単に治すことは難しいので、「まだ早いかな?」と思ううちから実行した方がいいと思います。

自分のおこづかいだからこそ、真剣に管理をし、お金のありがたさを知る。計画性を持ってお金を使えるようになり、ガマンすることも覚える。これらは、単にお金の扱いに関することだけに限らず、計画を立てる力、見通しを持つ力、自分を律する力などの生きていく上で大事な力を身に付けることにも役立ちます。

ごくあたり前で簡単なこと。でも、まわりを見ていると案外やってないこと。

大きくなって困らないために、今から少しずつ普段の生活の中で長い時間をかけて正しい感覚を身に付けてあげましょう☆

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