『放課後デイサービスの模索』というタイトルの記事を読んで…

産経新聞の記事にて『放課後デイサービスの模索』というタイトルを見つけ、気になって読んでみました。

記事の内容は、平成24年度に児童福祉法の改正に伴って始まったこの事業は、厚生労働省の発表によると、その平成24年度は2,887ヶ所だった事業所数が平成30年度には12,930ヶ所にまで増加している中で、そのサービス内容には事業所間でかなりの差があり、中には施設を利用する子どもたちに被害が及んでいるケースもあるという。その実態も、厚生労働省の発表によると、平成29年度で57件もの件数にのぼるというのだ。

また、その記事の中ではこんな内容も書かれていました。

当初はスタッフに特別な資格がなくても始められたうえ、ニーズがあり高収入が期待できたことが背景にある。そのため、ほかの平均的な障害者福祉サービスの利益率が5%弱に対し、放デイは11%程度と高く、新規参入する民間企業も少なくない。《開業するなら今がチャンス》《高単価、高需要》。放デイの開業支援を行う企業のホームページ上には、こんな言葉が躍る。

具体的な利益率の数字などは初めて知ったのですが、そういった目的での新規参入の事業者が多いことは知っていましたし、過去に偶然人に誘われて足を運ぶ機会があって、この事業のフランチャイズ展開をしている企業の説明会を聞きに行ったことがありましたが、その説明に腹立たしさを感じ、早々に会場を後にしたことを覚えています。

そんな経験もあり、特にそういったフランチャイズ事業等の形態にもまったく興味がないので、そういった企業のHPそのものを見ることもないので知らなかったですが、こうした謳い文句で募集をしていれば、本来の目的から逸脱した新規参入者が多くなるのもうなづけます。

その結果が、上記のような急成長につながり、それ以上に大きな問題を抱えた場所のように言われてしまう原因であることは明白であり、誰でもわかること。ただ、その現実だけを知って、すべての事業所がそういう目で見られることは堪え難い気持ちになります。

こういった背景を受け、社会の中で問題化されている事業に対しての実状を明らかにするとともに問題提起をしている記事でありましたが、そのタイトルにもある“模索”という言葉も少し引っかかります。

本当に真剣に、子どもたちと向き合い、その成長を支えたいと願う事業所が、今後どうすればいいかを“模索”しなければいけないのか?

この事業の本来の目的に沿ってきちんとがんばっている事業所が苦しまないといけないような状況があるとするならば、その先には、そういった支援を必要としている子どもたちやご家族が苦しんでいるんだということを考え、本来のあるべき姿が取り戻せるような“模索”をして欲しい。

決して楽して安易にできる事業でもなければ、利益率云々を語って参入するような事業でもない。

そんなあたり前のことがあたり前でないことに疑問を感じずにはいられない…。

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