ビジネスの本質。生き残るために大切なものはやっぱり想い。

売れるから作るのではなく、作りたいから作る。物作りの原点はそこにあり、そんな想いで作られた物だから、手にした人が気に入ってくれ、欲しいと望んでくれる。

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それこそがビジネスの本質であり、大事なことだと思っている。

こんなニュースを目にした。

一度は倒産。そして復活へ…

倒産「牛丼太郎」元社員、「丼太郎」で挑む復活の日々 看板の「牛」にテープ、仲間4人で切り盛り

(元記事を一部抜粋しながらご紹介させていただいています。)

続けて欲しいというお客様が多かったから

丼太郎の運営会社「丸光」の佐藤慶一社長(51)は、調理の合間に「商品には自信を持ってたし、店を続けて欲しいというお客様も多かったからね」と語ります。

牛丼太郎の倒産が決定的になった2012年7月、佐藤さんたち社員3人で「丸光」を立ち上げました。佐藤さんは元工場長、ほかの2人も店舗運営部長や経理部長の経験があります。

カリスマ主導の経営が破綻したのを見て、佐藤さんたちは「今度は仲間で相談しあいながら、店を作れないか挑戦したい」という気持ちが湧いてきたといいます。「レシピや運営ノウハウは、3人の頭にみんな入っている。力を合わせれば、何とかやっていけるだろうと考えました」と振り返ります。

開業は苦難の連続

しかし、開店への道のりは険しいものでした。

調理器具や丼は、牛丼太郎で使っていたものを安く買い取ることができましたが、倒産で迷惑をかけた食材の仕入れ先からは、ほとんど取引を断られました。

店名を変えたのも、以前とは別会社であることを知ってもらうための苦肉の策でした。佐藤さんは「新しい看板を作る資金も無かった。とりあえず、『牛』を隠せば違うかなと看板にテープを貼った。あとでちゃんとやればいいかと。それが未だに続いているんだけどね」と苦笑いします。

苦境を救ったのは、牛丼太郎が主に牛肉を仕入れていた会社でした。「長年お世話になったから」と、佐藤さんたちとも格安で取引を続けてくれたのです。

さらに、牛丼太郎・茗荷谷店の入居ビルのオーナーも、「あなたたちには、頑張って欲しい」と敷金も取らずに店舗を貸し続けてくれました。佐藤さんは「周りの助けがなければ、店の立ち上げは難しかった。本当に助けられました」。

看板、作り替えたい

その結果、牛丼太郎・茗荷谷店は一日も店を休むことなく、経営を引き継ぐことができました。佐藤さんは「お客様は店が『丼太郎』に変わったことすら、気付かなかったんじゃないでしょうか」と言います。

現在3人のほかにも牛丼太郎の元社員が参加。計4人で交代しながら、バイトを雇わず、毎日深夜まで営業しています。

4人全員が牛丼づくりにたずさわって20年以上のプロ。激戦地の中にありながら、開店4年で、店舗の客数は牛丼太郎時代より約2割増えました。牛丼太郎と同じ値段で、変わらぬ「濃いめ」の味わいを守っています。「牛丼は簡単に出せるものと思われがちですが、プロの技だからこそ出せる深い味がある。大手チェーンとの差別化は十分できると考えています」。

佐藤さんは最近ようやく、テープを貼ったままの看板のことも考えられるようになったといいます。「看板をそろそろ新しく作り替えたい。まだ決めてはいませんが、店名を『牛丼太郎』に戻してもいいと考えています。倒産直後と違い、今なら戻しても仕入れ先を失う心配はありませんから」と明かします。

会社倒産にめげず、味や安さを守ってきた佐藤さんたち。名実ともに「牛丼太郎」が復活する日を目指して、今日も牛丼をよそっています。

ビジネスに必要なのは本物への想い

ビジネスを立ち上げること自体はさほど難しいことではない。資金もあるに越したことはないが、無いなら無いなりに立ち上げることはできる。簡単な話、本人であったり、企業であったりが「やろう!!」と思って、一歩前に踏み出すかどうかだ。

だがそこから先は決して簡単なことではない。立ち上げることはできても、そこからきちんと継続していくこと、そして生き残っていくことは本当に大変なことだ。

そんな中で、作られた物がどれだけ本気の物なのか、そのサービスがどれだけ本気のサービスなのかが、継続に向けての大きな分岐点になるだろう。

そんな人たちが作った牛丼だからこそ、同じお店でありながら、倒産前以上のお客さんを呼び、復活ののろしを上げることができているのだと思います。

それは物作りに限らず、サービスを提供するのでも同じこと。

真摯な気持ちで向き合い、そこに込めた想いをちゃんと感じてもらえ、必要としてもらえるものとして生き残り、そこに在り続けることができる。

Selfishもそんな存在でありたいと思いながら読んだニュースでした。

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