「マイペースで輝こう」
あなたは今、どんな所にいますか。にぎやかな場所。華やかな場所。
それとも、いやいや通う学校、パッとしない会社。暗い家、人のいない商店街。
「こんな所にいるから芽が出ないんだ。まわりはうだつの上がらない人ばかり。私のよさもわかってくれない。こんな程度の低い所から早く脱出しよう。」
あなたが本物の宝石なら、泥の中にいたってその輝きは失われません、という禅語。
今いる場所があなたの場所。
まわりなんか気にせず自分は自分で勝手に輝いていればいいのです。いつかそんなあなたを誰かが見つける。そんなあなたに誰かが気づく。
あなたの輝きもその才能も、本物なら泥にまみれたって曇らないから、染まることなど心配しないでいってらっしゃい。
『真玉泥中異』＝「しんぎょくでいちゅうにいなり」と読むのだそうです。
子供たちの指導をしていていつも感じること。
先の見えない子供たち、今の自分の位置を受け入れられない子供たちがとても多いってこと。
ある程度目標を持って高校へ進学したものの、実際に高校へ入ってみたら自分の思い描いていた現実と違っていることに気付き、進むべき道が見えなくて悩んでしまっている。
まるでそれまでの時間がすべて間違いだったかのように…。
すぐにまわりと自分を比較して自分の悪いところばかりを見つけることでだんだん自分を見失ってしまっている。
自分を見失ってしまっているから余計に自分を肯定することができない。
自分を肯定することができないからがんばる意味を見い出せないで「どうせ自分は…」なんて自分をマイナス評価しながらだんだん楽な方へと流れていこうとする。
この禅語の解説の中にもあるように、一人ひとりの子供たちはちゃんと素晴らしい輝きを持っている。
その子にしかないいいところを持っていて、自分自身で見つけた夢に向かって歩いていく力をちゃんと備えている。
ただ、まわりと自分を比べることに一生懸命になりすぎてほんの少しだけ自分を見失って迷子になっているだけ…。
いろんなことを考え、思い、悩むことは子供たちの成長にはとても大事なことだから、どんどん悩んで欲しい。
そして、今自分がいる場所をきちんと自分の居場所と認め、そこで精一杯の力で自分の道を歩いて欲しい。
未来を輝かせるのは、その人自身の輝きなのだから…。
