問題は山積

決して、現代に限ったことではなく、昔からたくさんの人たちがそういった障害に苦悩しながら生きてきたことも間違いないであろうことだが、特に現代では、一つの社会問題ともいうべき発達障害。

子どもたちの教育現場では多くの問題が取り沙汰されているのと同様に、今まさに、大人の社会においても発達障害が多くの問題を抱えている。

それに関する興味深い記事が産経新聞に掲載されていたのでご紹介させていただきます。

注意欠陥多動性障害(ADHD)やアスペルガー症候群(AS)などの発達障害に苦しむ大人が増えている。障害のために仕事に支障をきたし、ひきこもってし
まう人も少なくない。

発達障害者支援法の成立から7年。行政の取り組みは遅れがちだが、障害を持つ人たちが自助努力で立ち向かう動きも出てきた。(戸谷真美)



■ミス重なり辞職




「イージーミスが多すぎる。君に営業はできない」。都内に住む20代の男性は昨年夏、上司にこう指摘され、しばらくして会社を辞めた。



旅行会社の営業マン。まじめで人当たりもいいが、段取りや整理が下手。
細かい連絡を忘れてしまう。添乗員として随行した先で、用意する弁当の数が変更になったのに業者への連絡を忘れてしまい、トラブルになったこともあった。




まだ、きちんとした診断は出ていない。
再就職への意欲もあるが、「サービス業はもう無理だと思う」という。




発達障害は従来、子供のものとされてきた。
だが近年、ひきこもりや鬱病、子供への虐待などの2次障害が表れ、初めて受診する大人の患者が多い。




計31万部のベストセラー『発達障害に気づかない大人たち』シリーズ(祥伝社新書)の著者、心療内科医で福島学院大の星野仁彦(よしひこ)教授は「私のクリニックに来る患者さんは2次障害が深刻な状態。復帰するのは容易ではない」と話す。




星野教授の調査では、外来を受診した成人のADHDとASの患者130人のうち、2次障害がない人はわずか13人。専門医が少ないため、発達障害を見抜けず、2次障害だけの治療を受けた結果、再発、長期化する傾向にある。




冒頭の男性のようなケースでも、「まずは自分で発達障害を認識し、診断を受ける。そのうえで長所と短所を把握し、サポートしてくれる人を見つけることが大切」と星野教授は言う。




■できることから




発達障害者同士の自助グループも生まれている。自らもADHDとASの混合型という冠地情(かんち・じょう)さん(39)が主宰する「イイトコサガシ」は、22都道府県で160回以上のワークショップを行った。




6~8人のグループで、2人が5分間、テーマに沿った会話をし、残りの人はその会話の良かった点だけを指摘する。時間を区切って相手の話に集中するの
で、しぐさや口調の変化にも気づきやすく、独りよがりな会話を避けられる。
聞く側は良い点だけを探すため、思いやりや共感を伴ったコミュニケーションの力
を磨ける。冠地さんは「発達障害の人は自己肯定感に乏しい。批判や助言はそれに追い打ちをかけ、トラブルになることもある」と話す。




相手の長所を探し、自分の良い所に気づくのはコミュニケーションの基本だ。冠地さんは「発達障害はもはや社会現象。でもできることから始めてほしい」と話している。




■行政の支援、手探り段階




成人の発達障害に対する行政の取り組みは緒(しょ)に就いたばかりだ。
厚生労働省によると、全都道府県とほぼ全ての政令市に発達障害者支援センターが設置され、ハローワークなどと連携した就労支援などが行われているが、「症状や障害の程度は千差万別で、具体的にどんなサポートをしたらいいか開発を行って
いる段階」という。




また、ADHDに対して欧米で効果を上げている中枢神経刺激薬、メチルフェニデートによる薬物療法も昨年11月、18歳未満で投与を受けていた人のみ継続使用が可能になったが、大人への初回投与は認められていない。


                                    (産経新聞 1月10日配信分)

この記事にも書いてあるように、大事なことはまわりの理解。
障害を抱えている人や子どもたちはできることを少しずつ重ねながら、自己肯定感を高め、次に向かってがんばろうという気持ちを育てていくことが大切だ。

そのためにも行政の支援は必要不可欠なのだが、そこにはまだまだ問題が山積の状態。
決して簡単に答えの出ることではないが、積極的に関与して少しでも早めの環境の改善を望みたいものだ。

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