まわりの理解と努力によって…

以下に紹介させていただくのは、8月19日付の毎日新聞の記事です。
全文をそのまま(読みやすくするため、段落の変更だけ行ないました。)掲載させていただきますので、是非一度読んでみてください。
『自閉症の若者に専用職場 備前市のNTN「夢工房」/岡山』

◇制度の狭間で就職難 支援充実し協働実現

県内の特別支援学校の昨年度卒業生の就職率は18・9%(全国平均23・6%)と低く、障害者の雇用拡大が大きな課題となっている。
特に知能や身体への障害がない発達障害者は、高い知能指数(IQ)があるために自治体から療育手帳を発行してもらえない場合が多いという。障害者枠での就職ができず、自立して働くことが困難な状況に置かれている。【坂根真理】

将来を悲観した親が自閉症の子どもと心中する事件も起きる中、自閉症の若者たちを積極的に受け入れ、若者が主役となって働ける専用職場を設けた企業が備前市にある。

ベアリング製造大手のNTNテクニカルサービス岡山事業所「夢工房」だ。
県内外から自閉症児を抱える親や特別支援学校の先生らの視察が後を絶たず、関係者から大きな注目を浴びている。

他企業の視察先で生き生きと働く自閉症の若者たちに衝撃を受けた会長が、06年に障害者の専用職場「夢工房」を設立した。現在は4人が働いている。

自閉症者は集中力がずっと持続し、ルールを忠実に守る。
このため製品を入れる段ボール箱を折りあげたり、社員手作りの支援ツール(補助器具)を使った袋がけなどの単純作業を任されている。

同社の高津信部長は「彼らはひたむきで手抜きがない」と働きぶりを高く評価。
作業のスピードが変わることなく働き続ける姿は、ほかの社員のモチベーションも高めているという。

同社では作業がしやすいように各所で工夫を凝らした。
作業内容や作業の進行状況を一目で分かるように表にまとめることで、落ち着いて仕事に集中できるようにした。
想像することが苦手な自閉症者は、急に指示が変わると先を見通せなくなり、大きなストレスを抱えるからだ。

夢工房ができてから社内の空気も変わり始めた。
重度の知的障害を伴う自閉症の鳥羽哲平さん(23)は、社員食堂に行くたびに「こんにちは」とあいさつをしていた。

当初は困惑する社員が多かったが、今は社員同士が積極的にあいさつをするようになり、明るい雰囲気になったという。

自閉症者の就労問題に詳しく、視察に来た上岡一世・愛媛大学教育学部元教授は「自閉症の若者を受け入れる会社は少ない。受け入れても適切な支援がなく、職場に適応できていない」と嘆く。

「NTNは会社の生産性を上げるために自閉症の子を雇用し、しかも深い理解と支援もある。会社のためにもなるし、働く彼らに生きがいも感じさせている点がほかにはない」と高く評価した。

高津部長は「彼らは会社の中のお手本。お金に代えられない意識改革が起きている」と話し、「『働きたい』という気持ちさえあれば、障害があっても働ける。働きたい気持ちを持たすようなお手伝いを今後もしていきたい」と話した。
この記事を読んで、地元岡山にこんな企業があることをとてもうれしく感じました。
人が仕事に就いて働くためには、いろいろな努力をしなければいけないのはあたり前のこと。
それは本人だけの努力という意味ではなく、まわりで関わる人みんながそれぞれの立場でいろいろな努力をする必要があるということを本当の意味で理解している人は少ない気がする。
それをまわりがきちんと理解し、必要な努力をすることで、楽しい職場を作ることができ、みんなが笑顔で働くことができ、楽しい社会を作ることができ、楽しい人生を送ることができる。
みんなが幸せになるために…。
みんなで少しの理解と努力をしていきましょう♪♪

-ひとり言

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