勝負の世界には勝者と敗者が存在し、その明暗はくっきりと分けられる。
120分後に鳴った主審の笛に歓喜するスペインの選手たちと崩れ落ちるオランダの選手たち。
でもそれが勝負の世界…。
試合開始直後の両チームの攻防は見応えがあった。
狭いスペースの中で短いパスをつないでオランダに攻め込むスペインに対して、両サイドを目一杯広く使って長いパスをつなぎながらスペインに攻め込むオランダ。
それぞれのチームが自分たちの持ち味を十二分に発揮しての最高の試合展開。
だったが…。
両チームあわせて15枚ものイエローカードで、途中かなり荒れ試合の様相を呈していたが、それもこれもどうしても勝ちたい!!と願う両チームの選手の気持ちが現れていたのだろう。
それでも、ピッチ上で繰り広げられる世界最高のサッカーのパフォーマンスは観る者を魅了したに違いない。
お互いチャンスを作り出しながらも、キーパーのファインセーブなどもありゴールを割ることができないまま90分間の禅後半終了。
この時点で、時計の針は午前5時半。
ここまできて優勝チームが決定する瞬間を見逃すわけにはいかないので、眠たい目をこすりながらのテレビ観戦は続く…。
延長戦に入ってからもお互いに一歩も譲らず、勝負はほんのちょっとした差で決まるような雰囲気のまま延長戦後半に突入。
こんな素晴らしい決勝戦がPK戦という形で決着してしまうことだけは避け、なんとかこの15分間でハッキリと白黒つけて欲しいと願った人は決して少なくないはず。
そんな延長後半も残り5分ほどにその時は訪れた…。
オランダの猛攻をなんとか凌いだスペイン。
このとき、ほんの少しキーパーの指先をかすめてアウトになったボール。
本来ならオランダのコーナーキックになるところなのに、主審はゴールキックの判定。
これが運命の分かれ道だった。
ゴールキックから蹴りだされたボールをつなぎながら相手ゴール前まで運んだスペインの攻撃がオランダのゴールをこじ開けた。
待望の、そして念願のW杯優勝を大きく引き寄せる値千金のゴール。
その後、試合終了間での数分間にピッチ上でこらえきれない涙を流すスペインの選手の様子がとても印象的だった…。
勝負の世界に“もし”はない。
でも、もしあのときオランダのコーナーキックでゲームが再開されていたなら、この決勝戦はまた違った結末を描いていたのかもしれない。
それでも、どんな形であれ、プレーの中でゴールが決まって勝敗を決することができたことはよかったと思うし、観ていて気持ちよかった☆
さすがに試合終了の6時にはかなり疲れて眠たかったけど…
4年に一度のサッカーの祭典
1ヶ月間、とっても楽しいお祭りでした